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中東イラク治安部隊がデモ隊に発砲45人死亡 イラン領事館放火受け弾圧強まる
イラクの治安部隊が南部ナシリヤで反政府デモ参加者に発砲、14人が死亡した。写真はタイヤを燃やし、道路を封鎖するデモ参加者。11月28日、ナジャフで撮影(2019年 ロイター/Alaa al-Marjani)
イラクの治安部隊が28日、各地で反政府デモ参加者に発砲し、少なくとも45人が死亡した。前日のイラン領事館放火を受け弾圧を強めている。
南部ナシリヤでは、夜明け前に橋を封鎖したデモ参加者らに向けて治安部隊が発砲し、少なくとも29人が死亡。警察や医療関係者によると、負傷者は数十人に上るという。
これらの関係者によると、首都バグダッドでは、チグリス川に架かる橋の付近で実弾とゴム弾が発射され、4人が死亡した。また、イスラム教シーア派の聖地である南部ナジャフでは、衝突で12人が死亡した。
ナジャフではデモ参加者が27日夜にイランの領事館に放火し、外出禁止令が出された。
少なくとも29人が死亡したナシリヤでは、犠牲者を埋葬するため、数千人が外出禁止令を無視して路上に出た。
イラクでは、政府が腐敗しイランの支援を受けているとするデモ隊が、首都バグダッドやイスラム教シーア派が多数を占める南部で抗議活動を続けている。
イランは28日夜、安全保障上の理由からイラクと接するメフラン付近の国境を閉鎖した。準国営メフル通信が地元当局者の話として報じた。いつ閉鎖が解除されるかは不明という。
イラン外務省は、領事館への攻撃を非難。「攻撃者に対するイラク政府による断固とした対応」を要求した。
*内容を追加しました。
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