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南米チリ、デモ暴徒化し首都サンティアゴに外出禁止令 非常事態宣言の都市拡大へ
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南米チリの首都サンティアゴなどで公共交通機関の運賃値上げを発端にした抗議デモが暴徒化する中、軍は、前日に続き首都で夜間外出禁止令を発令した。写真は同日サンティアゴで撮影(2019年 ロイター/IVAN ALVARADO)
南米チリの首都サンティアゴなどで公共交通機関の運賃値上げを発端にした抗議デモが暴徒化する中、軍は20日、前日に続き首都で夜間外出禁止令を発令した。
抗議デモは政府が今月6日に運賃の値上げを発表したことをきっかけに発生。ここ数日には、放火や略奪などが起き、暴徒化している。
ピニェラ大統領は19日、首都に非常事態を宣言。運賃の値上げを凍結すると発表したが、事態が収拾する兆しはない。
非常事態宣言の下でサンティアゴの治安維持を担う軍幹部は、20日午後7時(日本時間21日午前7時)から21日午前6時(日本時間同日午後6時)までの外出禁止令を出した。
軍は前日にも首都で外出禁止令を出したが、目撃者によると、数千人がこれを無視して外出、抗議デモに参加した。
デモは他の地域にも広がっており、検察当局の20日夕刻時点の発表によると、同日のデモに関連し1462人が逮捕され、このうちサンティアゴでの逮捕者は614人に上った。サンティアゴでは19日にも179人が逮捕されている。
チャドウィク内相によると、政府は北部と南部の都市にも非常事態を宣言する方針だ。
同相は、サンティアゴでの記者会見で、「暴力や破壊行為がエスカレート」していることを受けた決定だと説明。
20日にはスーパーマーケットなどでの40件の略奪を含め、計70件の「深刻な暴力事件」があったとし、軍・警察隊の規模を必要に応じて拡大する方針を示した。
また、デモに関連して7人が死亡したと述べたが、詳細には言及しなかった。
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