中国共産党の「断交」作戦で台湾は独立路線に舵を切る
国民党の中国離れが進めば、与党・民主進歩党(民進党)を中心とする「緑色陣営」は独立志向をさらに強調するだろう。
その中でも、存在感が際立つのが台湾独立を主張する一派だ。サウスチャイナ・モーニングポストによれば、台湾の游錫堃(ヨウ・シークン)元行政院長(首相に相当)は「中華民国として外交関係を失うとしても、独立国家・台湾として同盟国を得られるだろう」と発言。
さらに、外交関係維持のための対外援助をやめれば、その分の予算を台湾人に振り向けられるという独立派の主張が、さらに多くの有権者の心をつかむ可能性も否定できない。
外交関係を結ぶ国がゼロになれば、台湾は国家だとの主張は説得力を失う。それでも台湾は中国の主権を受け入れず、中台統一にさらに背を向けるだろう。
既に中国への懐疑を強めている台湾の政界は、これまでとは別の選択肢を探ることになる。孤立化を図れば台湾の政治秩序や現行体制は不安定化し、結果として中国の長期的利益が損なわれる。
台湾で独立志向が高まる未来を望まないなら、中国は断交戦略を見直すべきだ。
From thediplomat.com
<本誌2019年10月8日号掲載>
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