ラグビーW杯:オールブラックス、タトゥー隠して日本文化に配慮
在カーディフの名誉領事であるキース・ダン氏は、ウェールズ人はタトゥーが好きだとBBCに話しており、タトゥーを入れている人も多いと思われる。ラグビー観戦ツアーを実施しているウェールズの旅行会社も、「ワールドカップ中は(タトゥーに関する規則が)緩くなっているかもしれないが、それでもタトゥーを入れている人には隠すようにアドバイスした」とBBCに話した。
一方、仏英語メディア「フランス24」は、都内のラグビー・チームに参加している日本在住の米国人ウィルさんの談話を紹介した。フィジー式のタトゥーを入れているウィルさんは、タトゥーはラグビーの強豪国であるニュージーランドやサモア、トンガといった太平洋諸島の国々の文化であることから、「タトゥーはラグビーの文化」だと説明。しかし日本人の心情を考慮し、「普段は見えないようにしている」と話した。
日本の温浴施設も規則緩和で対応
迎える日本側も、ワールドカップ中はこうしたラグビーの文化に配慮し、温浴施設などでタトゥーに関する規則を緩和する動きが見られている。前述のワールドラグビーが設けた日本のエチケットに関する情報ページでは、「ラグビーの選手やファンはタトゥーを入れている人が多いだろうとの理解から、開催都市周辺の温泉施設では大会期間中は規則を緩和している場所も多い」と説明している。とはいえ、「不明な場合は事前に確認を」と注意を促している。
実際に、ワールドカップ期間中は規則を緩和して対応している場所も少なくないようだ。ガーディアンは7月、試合会場に近い札幌や熱海で実際に緩和していると報じた。ワールドカップ期間中は、特定の時間帯にタトゥーが入った顧客を受け入れるなどの対策を取ったり、小さなタトゥーの場合はシールで隠してもらったりといった施設もあるようだ。
ガーディアンではさらに、別府温泉の取り組みも紹介。別府市では、具体的にどの施設がタトゥーをした人も歓迎しているかが分かる英語の情報サイトも用意している。別府温泉では、刺青を含めてタトゥーをしている顧客を普段から受け入れており、豪公共放送ABCのラジオ番組によると、こうした温浴施設は別府全体の65%に上るという。