日本と韓国が共に見習った中国の悪しき外交術
ルールを重んじる国際秩序を確立するという点で両国の利害が一致していることに、両国の国民は気付き始めていた。北朝鮮と中国の脅威が意識の変化を後押しする要因になった面もある。しかし、状況は大きく変わってしまった。
中国のやり方がまかり通るのを目の当たりにした日韓両国は、気に食わない国に罰を加えたり、譲歩を引き出したりする上で、その手法が有効だと思うようになったのだろう。いま日韓が自国の中国的行動を正当化する主張を繰り返す状況に、中国はほくそ笑んでいるに違いない。
しかも、これで日韓関係に一層ヒビが入れば、中国にとってはさらに都合がいい。実際、既に韓国は、日本との防衛上の情報の共有体制を見直す可能性も示唆し始めている。
こうして、日米韓の安全保障上の協力関係が揺らげば、3カ国が北朝鮮や中国の挑発に適切に対応する能力が弱まりかねない。日韓両国は相手を追い詰めているつもりで、自国の首を絞めてもいるのだ。
From thediplomat.com
<2019年8月13&20日号掲載>
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