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日韓関係WTOで日本・韓国が論戦 「日韓対立に巻き込まれたくない」との参加国も
日本と韓国は世界貿易機関(WTO)の一般理事会で、半導体材料の対韓輸出規制についてそれぞれの立場を主張した。写真はWTOでの日本と韓国の代表団。ジュネーブで撮影(2019年 ロイター/Denis Balibouse)
日本と韓国は24日に開かれた世界貿易機関(WTO)の一般理事会で、半導体材料の対韓輸出規制についてそれぞれの立場を主張した。韓国は日本の動きをけん制するため、他の国・地域に理解を訴えた。
日本は今月4日、フッ化水素など半導体材料3品目の韓国への輸出について規制を強化した。さらに、貿易規制上の優遇措置対象である「ホワイト国」リストから韓国を外すための手続きに入った。
伊原純一・駐ジュネーブ国際機関政府代表部大使は理事会で、日本は多くの国と同様、定期的に輸出管理を見直していると主張。韓国が制度改善に取り組むという信頼に基づき2004年にホワイト国に指定したが、過去3年間は日本側が要求したにもかかわらず制度改善について全く協議が設けられなかったと説明。「さらに、韓国向け輸出で不適切な事案があった」とした。
「韓国は日本の措置が自由貿易制度に反すると言うが、自由貿易とは武器に転用可能なモノや技術を管理・条件なしに取り引きするものではない」と反論した。日本が世界的なサプライチェーンを混乱させるとの韓国の主張については、日本の輸出管理見直しは安全保障に基づいているため、WTO規制は適用外であり、混乱を招く主張だと韓国をけん制した。
韓国の金勝鎬(キム・スンホ)新通商秩序戦略室長は理事会後記者団に「日本の輸出規制は貿易措置でも安全保障上の措置でもなく、外交上の対立で有利な立場を得るための戦略だ。つまり、元徴用工問題だ」と強調。
2国間協議に応じるよう外務省の山上信吾経済局長に提案したが、日本側は拒否したと批判。「これは日本が自国の過去の行動に向き合う自信も勇気もないことを明確に示している」としたうえで、日本は世界経済に混乱をもたらし、WTOの存在意義を損ねる恐れがあると主張した。
伊原氏は、日本側は既に韓国側に5時間にわたり説明を行ったと指摘。山上氏は、日本側はさらなる対話を拒んではいないが、正式な協議の要請は受けていないと述べた。
山上氏は、両国の輸出管理機関の間で対話が不足しているのは明らかだとし、そこから取り組むべきかもしれないと述べた。
韓国は国際社会を動員して日本の動きをけん制するために一般理事会にこの問題を持ち込んだが、会議では第三国による発言はなかった。日韓以外の複数国の代表はロイターに、複雑な歴史が絡む2国の対立に巻き込まれたくはないと述べた。
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