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中東イラン革命防衛隊、ホルムズ海峡で英タンカー拿捕 英外相「容認できず」
イランのイスラム革命防衛隊は、英船籍の石油タンカーを拿捕したと発表した。写真は、ステナ・バルク社が保有する英船籍のタンカー「ステナ・インペロ」。ロイターが19日入手(2019年 ロイター/Stena Bulk/via REUTERS/PROVIDED BY A THIRD PARTY)
イランの精鋭部隊「イスラム革命防衛隊(IRCG)」は19日、英船籍の石油タンカーを拿捕(だほ)したと発表した。英国が今月、欧州連合(EU)の制裁に違反したとみられるイランの大型石油タンカーを英領ジブラルタル沖で拿捕したことへの報復措置の可能性がある。
また英政府は、これとは別にリベリア船籍で英企業が運営するタンカー「メスダール」も拿捕されたという見方を示したが、イランのタスニム通信は拿捕されていないと報道。同船は安全面での警告を受けた後、通常航路に戻り航行を続けていると伝えた。
拿捕された英船籍のタンカーは「ステナ・インペロ」で、サウジアラビアの港に向かっていたが、原油輸送の要衝であるホルムズ海峡を通過した直後に進路を変更した。
イラン国営テレビによると、革命防衛隊は「国際海洋規則に違反していた」ためイラン海上当局の要請に従い、タンカーを拿捕したとしている。
リフィニティブのデータによると、ステナ・インペロはステナ・バルク社が保有する英船籍のタンカーで、ペルシャ湾に面したサウジアラビアのジュバイルに向かっていた。船舶の航路を示すトラッキングマップによると、ステナ・インペロは19日1517GMT(日本時間20日午前0時17分)ごろにイランの方向に向け急角度で進路を北に変更した。
また、リフィニティブのデータからは、ステナ・インペロが航路を変更してから約40分後に、メスダールもホルムズ海峡でイランに向けて方向転換したが、その後再び西方に向かった。
英タンカーが拿捕されたことを受け、英国防省報道官は「情報収集に全力を上げている」と表明。関係筋は英政府は非常事態委員会を招集したとしている。
英国のハント外相は、イラン当局による船舶拿捕は「容認できない」とし、「深く懸念している」とコメント。スカイニュースによると、イランが船舶を解放しなければ重大な結果を招くとしたが、軍事行動は検討していないと述べた。
米ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)報道官は、米政府はイランによる英タンカーの拿捕は承知しているとし、米国は同盟国やパートナー国と協力してイランに対する防衛を行うと述べた。
トランプ大統領もイランによるタンカー拿捕を巡り、英政府と協議する意向を表明した。
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