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イラン核問題ウラン貯蔵量上限超えたイラン 国連制裁再開に必要な6つの手続きとは
7月1日、国営イラン通信によると、イランのザリフ外相は、低濃縮ウランの貯蔵量が核合意で定めた上限を超えたと明らかにした。写真はIAEA本部前で3月撮影(2019年 ロイター/Leonhard Foeger)
国営イラン通信によると、イランのザリフ外相は1日、低濃縮ウランの貯蔵量が核合意で定めた上限を超えたと明らかにした。国際原子力機関(IAEA)も上限超えを確認した。
例えば欧州側の合意参加国である英国、フランス、ドイツのいずれかが、イランが合意内容に違反したと確信する場合、紛争解決手続きを発動することができる。この紛争解決手続きにより、最短65日以内で国連の対イラン制裁が再開される可能性がある。紛争解決手続きの概略は以下の通り。
合同委員会での手続き
◎ステップ1
核合意のいずれかの当事国が、他の当事国が合意に違反したと確信する場合、合同委員会に問題解決を付託することができる。合同委員会の現在のメンバーはイラン、ロシア、中国、ドイツ、フランス、英国、欧州連合(EU)。米国は以前はメンバーだったが離脱した。
合同委員会は、期間の延長について総意による合意がなければ、15日以内で問題を解決する。
◎ステップ2
いずれかの当事国がステップ1の手続きで問題が解決しないと確信する場合、外相レベルに問題解決を付託できる。外相たちは、期間の延長について総意による合意がなければ、15日以内で問題を解決する。
合意の不履行があったと申し立てる国もしくは申し立てられた国は、外相による協議と並行する形か、これに代わるものとして、3カ国から成る勧告委員会に問題解決を付託することができる。3者のうち2人は紛争当事国がそれぞれ任命、残り1人は中立的な立場からとする。
勧告委員会は15日以内に意見を提出しなければならないが、この意見に拘束力はない。
◎ステップ3
当初の30日間で問題が解決しない場合、合同委員会は勧告委員会の上記の意見を5日以内に検討する。
◎ステップ4
ここまでの手続きを経ても納得せず、重大な不履行があると考える国は、紛争の未解決を理由に、自国の核合意履行を停止することができる。国連安全保障理事会に重大な不履行の状況を通告することもできる。
安保理での手続き
◎ステップ5
不履行を申し立てる国から通告を受けた安保理は、30日以内に対イラン制裁解除の継続について、決議に掛けなければならない。決議には9カ国の賛成が必要で、かつ、米国、ロシア、中国、英語、フランスの常任理事国による拒否権の発動が1票でもあってはならない。
◎ステップ6
30日以内に安保理で決議が承認されず、安保理が他の決定をしない場合、以前の国連決議に基づくすべての対イラン制裁が再開される。
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