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核合意イラン「低濃縮ウラン貯蔵量が核合意の上限突破」 米国は圧力継続と表明
イランは1日、低濃縮ウラン貯蔵量が2015年の核合意で規定した上限を超えたと明らかにした。写真はIAEA本部で3月4日撮影(2019年 ロイター/Leonhard Foeger)
イランは1日、低濃縮ウラン貯蔵量が2015年の核合意で規定した上限を超えたと明らかにした。米政府は同国への圧力を継続すると即座に表明した。
米国が一方的に核合意から離脱して以降、イランが合意義務に違反するのは今回が初めて。国際原子力機関(IAEA)も、イランの低濃縮ウラン貯蔵量が2015年の核合意で定められた上限を超えたことを確認した。
ホワイトハウスは声明を発表し、イランに最大の圧力をかける米国の政策はイランが方針を変更しない限り継続すると表明。イランのウラン濃縮を禁止すべきと主張し、「イラン政権に対する最大限の圧力はイラン首脳陣が行動方針を変更するまで継続する」と強調した。[nL4N24245N]
ホワイトハウスでのイベントでトランプ米大統領は、イランに対するメッセージはあるかとの質問に、メッセージはないとした上で、イランは何をしているか認識しているはずだと述べ、イランは「火遊びをしている」と批判した。[nL4N2424DJ]
一方、イランは、ウラン貯蔵量が規定の上限を超えたことについて、米国が昨年一方的に核合意から離脱したことに対応する権利を履行しているのであり、合意違反ではないと主張した。
ザリフ外相はツイッターで、核合意には違反していないと強調。合意に盛り込まれた規定順守に関する紛争解決メカニズムに言及し、「E3(英国、ドイツ、フランス)が責任を果たせば元に戻す」と述べた。イランは、核合意に基づき想定される世界貿易へのアクセスを欧州が保障することを要求している。
核合意の存続に尽力してきた欧州は、これ以上違反を犯さないようイランに警告しているが、核合意の破棄やイランへの制裁発動は控えている。
ハント英外相は、イランに核兵器を保有してほしくないため英国は核合意の維持を望んでいるとした上で「イランが合意に違反すればわれわれも立ち去るだろう」と語った。
イランは、核合意の存続を望んでいるが、核開発を制限する見返りとして得られる恩恵が米国の制裁により受けられない限り、核合意の条件を永久に順守することはできないと主張している。
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