春闘「非常に良いスタート」、定着を期待=十倉経団連会長

経団連の十倉雅和会長(住友化学会長、写真)は25日の会見で、2025年春闘における連合の2次集計での賃上げ状況について、「昨年を上回る高水準で、非常に良いスタートが切れた」との認識を示した。2021年5月、東京で撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)
Maki Shiraki
[東京 25日 ロイター] - 経団連の十倉雅和会長(住友化学会長)は25日の会見で、2025年春闘における連合の2次集計での賃上げ状況について、「昨年を上回る高水準で、非常に良いスタートが切れた」との認識を示した。その上で「中小企業も含めて、これからが本番だ」とし「我々が掲げた『定着』が確信へと深まっていくことを期待したい」と語った。
石破茂首相の商品券配布問題に関しては、「法律に違反しているかどうかは議論がいろいろあるが、昨今の世間の常識からは少し離れているところがやはり問題だと思う」と述べ、政治とカネの問題が議論されている時だからこそ、「『李下に冠を正さず』ではないが、少し残念に思う」と話した。石破首相は丁寧に説明しているとは思うとしつつ、「こういう問題が起きたのだから、説明は十分に尽くしてほしい」と述べた。
会見には、5月の正式就任を控えた筒井義信次期会長(現経団連副会長、日本生命会長)が同席した。筒井氏は、「中長期の視点と日本全体の視点を大切にしながら職務を全うし、将来世代への責任を果たしたい」と抱負を述べ、十倉会長が取りまとめた2040年を見据えた政策提言の実現に取り組む「ロードマップを具体的に策定したい」との考えを示した。
筒井氏は、トランプ大統領就任で米政策の不確実性が増し、関税の報復合戦になりかねない状況を踏まえ、「法の支配、自由公正で開かれた国際経済秩序を基本理念としてしっかり掲げて取り組む必要がある」と指摘。トランプ政権で逆向する動きも出ている脱炭素や人権、多様性の推進に関しては「人類の共通価値として、しっかり取り組んでいく必要がある」とも述べた。
内政面では「山積している重要な政策課題の実現に向けて努力していく上で、やはり政治との対話、連携が何よりも基本」と語った。
筒井氏は5月29日の定時総会をもって正式に会長へ就任する予定。