英EU離脱どう動く? 次の政権は短命に終わる可能性が高い
一方、保守党では党首選びが始まる。主な候補はいずれも離脱支持を表明しているが、最も強硬なのはジョンソン前外相。ジョンソンは、もっと強い姿勢でEUとの交渉に臨むべきだと主張し、「合意がまとまらなくても」期限どおり10月31日でEUを離脱するとも述べている。
【参考記事】メイの有力後継候補ジョンソンはヤバい?「合意なき離脱」率25%に
ただし、ジョンソン政権が発足しても短命に終わる可能性が高い。保守党は議会で単独過半数を確保できていない。北アイルランドの地域政党・民主統一党(DUP)の閣外協力を得て辛うじて過半数を押さえているが、DUPは合意なき離脱に反対している。DUPの協力を失えば、次期首相は早々に解散総選挙に追い込まれかねない。
総選挙を行わなければ、与野党の議員のほとんどが(離脱強硬派にせよ残留派にせよ)現在の離脱協定案に反対する状況は変わらない。しかし、EUからこれ以上有利な条件を引き出すことも期待しづらい。次の首相は、メイと同じ手詰まり状態に陥る可能性が高い。
<2019年6月4日号掲載>
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