韓国コンビニも営業時間短縮、しかし日本とはかなり事情が異なる
株式の売却を発表したミニストップだったが......
韓国のコンビニ業界は、店舗数約1万3100軒のCUと1万店強のGS25を9500店余のセブンイレブンが追いかける構図となっている。4位のイーマート24は3500店余で、大きく水をあけられている。出店規制で店舗網の拡大が厳しくなったセブンイレブンを運営するロッテとイーマート24を運営する新世界は、株式の売却を発表したミニストップの買収に名乗りを挙げた。
韓国ミニストップは、食品メーカーの大象(デサン)が設立した大象流通が母体で、2006年6月にイオンが買収した。イオンが株式の76.06%を保有し、大象が20%、残りを三菱が保有する。2014年にファミリーマートが撤退し、韓国コンビニ業界唯一の外資系コンビニチェーン店となった。
イオンは単身世帯の増加と消費パターンの変化で、韓国のコンビニ市場が成長すると予想したが、過当競争に突入すると営業利益が激減する。そこで流通業のノウハウがあるパートナーと組む必要があると判断し、株式を売却することにしたのである。
株式売却で、最も高い入札価格を提示したロッテと交渉を進めたが、ロッテはミニストップの看板を下ろしてセブンイレブンに転換することを求め、新世界もイーマート24に転換する条件を提示した。2550店のミニストップを加えるとロッテはGS25を抜いて2位となり、新世界も一気に店舗網が拡大するからだ。
しかし、韓国ミニストップの株式を売却する目的は縮小や撤退ではなく、また、ミニストップの看板を下ろすことに抵抗があるため、結局、2社との交渉が決裂したイオンは株式の売却を中断した。
いっぽう、政界ではコンビニ店主等の最低収入保障を含む加盟事業法改正案が発議されている。韓国ミニストップは他のチェーンと異なり、店主の最低収入を保障しているが、実際に最低収入保障を適用している店は多くはない。韓国ミニストップのシム・グァンソプ代表は、出店競争には参入せず、加盟事業の本質である店主の収益最大化に全力を注ぐと話している。
過当競争の果ての出店規制、人件費の高騰と夜間売上の不振、韓国のコンビニ業界にとっては、まだはっきりした対策の打ち出しようのない厳しい時期が続きそうだ。