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ロシア疑惑モラー米特別検察官、トランプとロシアの共謀を認定せず
バー米司法長官は2016年米大統領選へのロシア介入疑惑を巡る捜査でモラー特別検察官がトランプ陣営とロシアの共謀を認定しなかったと明らかにした。長官はまた、トランプ大統領(写真)は捜査の過程で司法妨害を行わなかったと断定した(2019年 ロイター/Kevin Lamarque)
バー米司法長官は24日、2016年米大統領選へのロシア介入疑惑を巡る捜査でモラー特別検察官がトランプ陣営とロシアの共謀を認定しなかったことを明らかにした。長官はまた、トランプ大統領は捜査の過程で司法妨害を行わなかったと断定した。
捜査報告書の概要では、「ロシアに関係がある人物らによる複数の提案」があったにもかかわらず、トランプ陣営が「ロシア政府と共謀したり、連携したりした証拠は見つからなかった」としている。
モラー特別検察官は、トランプ大統領による司法妨害の可能性について含みを残した上で司法長官に判断を委ねたが、バー長官は「大統領が司法妨害罪を犯したと立証するには証拠不十分」と結論付けた。
バー氏によると、モラー氏は報告書で司法妨害の可能性について「大統領が罪を犯したと結論付けてはいないが、潔白を証明してもいない」と記したという。「大統領の行動や意向を妨害と見なすことが可能かどうかに関する法律や事実の『難しい問題』」を指摘し、司法妨害に該当するかどうか結論を出すことを控えたという。
バー長官は議員らに書簡を送り、「妨害行為に相当し、係争中あるいは検討されている訴訟と関連があり、不正な意図を伴うような行動は、合理的な疑問を残さない程度の証明が必要だが、報告書ではそのような行動は特定されなかったと判断した」と説明した。
ホワイトハウスのサンダース報道官は捜査の結論について、「大統領にとって完全な無罪証明だ」と述べた。
一方、民主党のペロシ下院議長とシューマー上院院内総務は、司法妨害に関する大統領の無罪が証明されていないことを踏まえると、「報告書の全容および基礎となる書類を直ちに公開することが急務だ」とする共同声明を発表した。
上院情報特別委員会のリチャード・バー委員長(共和党)は、バー司法長官は報告書の内容について可能な限り公表すべきとの立場を示した。
トランプ大統領はワシントンに戻る大統領専用機に搭乗する前、記者団に「米国でこのような調査が行われたのは残念だ」と述べた。「これは違法な試みで、失敗に終わった」とした。
トランプ氏はこれまでロシア疑惑の捜査を「魔女狩り」と呼び、自身はその被害者だと繰り返し訴えてきた。報告書はその主張の正当性を強調するための材料となるが、報告書の全容の開示を求める民主党との間では対立が深まる見込みだ。
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