ベルリン:男女の賃金格差は21%、だから女性の運賃を21%割引に
さらに、BVG は今週14日にストライキを予定していること、バス全線でWi-Fiの使用可能を目指すなど「無駄なコスト」をかけすぎていること、そして時間に正確でないことなどから、今回のキャンペーンを諸問題から市民の目をそらせるためのポーズだと見る向きもある。
また、ドイツ人はこのような形の割引に慣れていないのかもしれない。以前日本に来たドイツ人男性は、日本の居酒屋や旅館などでよくある「女性割引」について、「女性を(子供のように)格下に見ているようで、おかしい」と苦言を呈した。
国ごとの男女賃金格差を如実に表す
しかしながら、大半は「たった1日、イコール・ペイへの注意を喚起するためのアクションに目くじらをたてることもなかろう」という意見のようだ。賛成する者も多い。「女性チケット」は女性の使用に限られ、男性が使用した場合は、子供やシニアなど通常の割引チケット使用適用外のときと同じように罰金を課される。つまり、女性であることを身分証明書などで証明する必要があるわけだが、性の定義が複雑になってきた昨今、どのように対処するのか興味深いところだ。
肝心のBVG自体ではイコール・ペイが実現されているようだ。また、現在1万5千人いる従業員のうち約20%が女性だが、これを2022年までに27%に増やすことを目標としているという。
ちなみに今年、スイスのイコール・ペイ・デイは2月22日だった。アメリカでは4月2日が予定されている。日本では昨年、4月6日がイコール・ペイ・デイとされ、各種の催し物が行われたようだが、今年の情報はまだ見当たらない。
男女間の賃金格差ワースト常連国の日本。格差が縮まれば縮まるほどイコール・ペイ・デイの日程は早くなる。いつかイコール・ペイ・デイそのものがなくなることを願う。