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米朝首脳会談北朝鮮、金正恩のベトナム訪問団が経済視察 成功体験参考に
米朝首脳会談のためベトナムを訪れている金正恩朝鮮労働党委員長の随行団は、ハノイを出発し、工業都市ハイフォンにある工場や世界遺産の観光地、ハロン湾を視察した。写真は米朝首脳会談時の同委員長。ハノイで撮影(2019年 ロイター/Leah Millis)
米朝首脳会談のためベトナムを訪れている金正恩朝鮮労働党委員長の随行団は27日、ハノイを出発し、工業都市ハイフォンにある工場や世界遺産の観光地、ハロン湾を視察した。米国とかつて敵対関係にあったベトナムの経済的成功の模倣を狙う金委員長の姿勢が鮮明となった。
トランプ米大統領は27日、ツイッターに、北朝鮮が非核化すれば、ベトナムのような繁栄を手にすることができると書き込んだ。
金委員長は昨年6月の1回目の米朝首脳会談でシンガポールを訪れた際、シンガポールの経済発展に感銘を受け、同国から多くを学びたいとコメントしていた。
今回の訪問先ベトナムは、1980年代後半に「ドイモイ(刷新)政策」を打ち出して以降、繁栄を遂げてきた。金委員長は、ベトナムの成功体験から学ぼうとする考えを前面に出した。
北朝鮮の外交および経済政策の責任者で構成される随行団は、ハイフォンで自動車メーカーのビンファスト、スマートフォンメーカのビンスマート、農産品・食品メーカーのビンエコの工場を視察。3社は複合企業ビングループの傘下にある。ビンスマートは昨年、同社初のベトナム製スマホ「Vスマート」を発売しており、ビンエコは持続可能な農業を推進している。
トランプ大統領との会談を控えていた金委員長は視察団に加わらなかった。
韓国の中小企業銀行(IBK)で北朝鮮経済を専門にするCho Bong-hyun氏は、「ベトナムのドイモイは、一党体制の維持を目指す一方で成長に向けて大胆な経済改革を追求している北朝鮮にとって理想モデルだ」と指摘した。
視察団を率いたのは李洙墉(リ・スヨン)朝鮮労働党副委員長で、経済政策の最高責任者である呉秀容(オ・スヨン)党副委員長が初めて加わった。呉氏は電子工業相を務めた経験があり、ベトナムの成功体験を参考にするという金委員長の狙いがうかがえる。
ビンファストなどの3工場やハロン湾を視察先に選んだ背景には、金正恩氏による「最先端技術」や自立的な経済の追求があるとみられる。
ハロン湾を昨年訪問した観光客は1200万人以上に上った。北朝鮮は東部・元山や中国との境界にある白頭山麓の三池淵郡で観光客向けのリゾート施設を計画している。
北朝鮮の朝鮮労働党機関紙、労働新聞はベトナムの「高い潜在力」と農業への依存度が高い経済から「産業構造を多角化」しようとする取り組みを称賛した。
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