「関税マン」トランプが招く貧乏なアメリカ
Tariffs Could Trigger a Recession
ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は重要なのは「力の問題」であり、中国はアメリカの知的財産を盗んで「経済力ひいては軍事力を大幅に」強化していると警告している。あなたにもそう助言したはずだ。
安全保障上の懸念から中国に制裁関税を課しているのなら、もっと有効な手がある。大統領には国防上重要な技術の流出を防ぐため外国企業による米企業の買収を阻止する権限がある。米企業と中国企業との合弁契約も、安全保障上の理由で阻止できるはずだ。米企業に国防上重要な技術を守るよう、罰則付きで義務付けることも可能だろう。
一部の米企業は中国市場に参入できなくなり、多額の利益を失うことになるが、それは大した問題ではない。大統領の役目は企業の利益を守ることではなく、アメリカを守ることにある。
アメリカの消費者に重い逆進税を課し、世界的な景気後退を招くよりはずっとましだ。
<本誌2018年12月25日号掲載>
※12月25日号(12月18日発売)は「中国発グローバルアプリ TikTokの衝撃」特集。あなたの知らない急成長動画SNS「TikTok(ティックトック)」の仕組み・経済圏・危険性。なぜ中国から世界に広がったのか。なぜ10代・20代はハマるのか。中国、日本、タイ、アメリカでの取材から、その「衝撃」を解き明かす――。
2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら