ミス・ユニバース場外戦 米国代表「英語話せない」とカンボジア代表を嘲笑し大炎上
想定外の大炎上に謝罪するハメに
こうした「想定外」の批判にさらされたサラさんはインスタグラム上で謝罪するハメに追い込まれた。
「ミス・ユニバースは世界中の女性がそれぞれの文化や人生、価値観を学ぶ場だ。私たちはそれぞれ異なった文化背景を持っているから共に成長できる。私が友人を褒めるつもりで発言したことが、失礼に当たること気づいた。謝罪します」
しかし、インスタグラム上ではカンボジア代表をからかうサラさんの動画と「サポートをありがとう、ミス・カンボジアあなたは美しい」という炎上後の動画を左右に並べてサラさんの「豹変ぶり」をわかりやすく編集した動画もアップされるなど、炎上は続いている。
サラさんの謝罪に関しても「表明的に繕っているだけで、心から謝罪しているとは到底思えない」「騒ぎが大きくなったので謝罪したに過ぎない」と手厳しい批判が止まない。
こうした騒ぎがミス・ユニバース世界大会の審査にどう影響してくるのかは、ミス・ユニバースの関係者がこれまでのところ沈黙を守っているので不明だ。
ミス・ユニバース2018をめぐっては、スペイン代表として選ばれたアンジェラ・ポンセさんが史上初のトランスジェンダーとして世界大会出場を果たしたことで注目を集めている。
また、シンガポール代表のコスチュームが米朝会談の開催を象徴するデザインで「ミスの大会に政治を持ち込むのか、あまりにもひどいデザインだ」「米朝会談の開催場所になったことしかシンガポールは誇れることがないのか」などと国内外からの酷評を浴びる一件もあり(「これはひどい! ミス・ユニバース代表の『米朝首脳会談ドレス』に非難ごうごう」)、今年のミス・ユニバースは何かと話題を振りまいている。今回の米国代表の言動もある意味で今大会の「宣伝効果」を果たしているといえる。
カンボジアのミス・ユニバース関係者からは本選の審査のやり取りが英語で行われることから、カンボジア代表には通訳を特別につけてほしいとのリクエストを出しているというが、本番でどうなるかは今のところはっきりしていないという。
いろいろな話題を振りまいた2018年のミス・ユニバース世界大会、17日の審査結果が注目されている。
[執筆者]
大塚智彦(ジャーナリスト)
PanAsiaNews所属 1957年東京生まれ。国学院大学文学部史学科卒、米ジョージワシントン大学大学院宗教学科中退。1984年毎日新聞社入社、長野支局、東京外信部防衛庁担当などを経てジャカルタ支局長。2000年産経新聞社入社、シンガポール支局長、社会部防衛省担当などを歴任。2014年からPan Asia News所属のフリーランス記者として東南アジアをフィールドに取材活動を続ける。著書に「アジアの中の自衛隊」(東洋経済新報社)、「民主国家への道、ジャカルタ報道2000日」(小学館)など
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