日中首脳会談に望む──習近平は「一帯一路」で「宇宙支配」を狙っていることに気づいてほしい
2014年11月10日、北京APECで日中首脳会談 Kim Kyung-Hoon-REUTERS
まもなく日中首脳会談が始まる。会談すること自体は否定しないが、「一帯一路」協力を約束することだけは避けてほしい。習近平は一帯一路で「宇宙支配」を狙っているからだ。その関連性に関して再度詳細に考察する。
「一帯一路」と中国の「宇宙支配」との関連性
「一帯一路」と「宇宙支配」の関連性に関して、10月16日付のコラム「日本は中国との闘い方を知らない」で少し触れたが、ここでは、その根拠を具体的に示したいと思う。
2014年4月14日、習近平・中央軍事委員会主席は空軍機関で檄を飛ばし、「天空を一体化する軍隊を立ち上げ、攻撃と防御を兼ね備えた強大な人民空軍を建設していくことを加速させねばならない。そうしてこそ、"中国の夢"と"強軍の夢"を実現させるために堅固な力を掌握することができるのだ」と強調した。
ここでいう「人民空軍」とは「中国人民解放軍・空軍」のことで、「天」というのは「宇宙」のことである。「天空を一体化した軍隊」とは、すなわち「空軍は宇宙軍を一体化せよ」ということになる。この時点で「宇宙軍」という概念を示唆している。
また、2018年9月13日、北京で「空中シルクロード国際航空協力サミット」が開催された。主宰したのは中国航空工業集団有限公司で、一帯一路沿線国の航空関係者代表が参加し、「空中シルクロード聯盟」を結成することが提唱された。
サミットに参加した国務院国有資産監督管理委員会・国際合作局の張発衛副局長は以下のように述べている。
──「空中シルクロード」は「一帯一路」建設の次元を2次元から3次元に高めていくもので、陸や海洋の間の重要拠点をつないでいくだけでなく、空をもつなぐわけです。中国航空工業集団が提唱する「空中シルクロード」は、「一帯一路」沿線国家のうち、発展途上国にある国々の航空産業発展を強化し、航空事業の突破口として頂くために提案された方策です。製造、建設、運営、融資などの機能を一体化し、産業連盟を結成して、「一帯一路」沿線国家のプラットフォームに中国方案を利用していただこうと考えております。
ということは、「一帯一路」は「陸と海の新シルクロード経済構想」だけではなく、「陸と海と空の新シルクロード経済構想」だということになる。