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日米関係トランプ→安倍 大口献金者のために米カジノ大手の日本参入を要求していた
Trump Lobbied Japan to Let His Top Donor Build a Casino
トランプが安倍とは「相性がいい」と言ったのも頷ける? Carlos Barria-REUTERS
<トランプ大統領から安倍首相への口利き後、日本はカジノ合法化に舵を切った>
調査報道で知られる米非営利メディア「プロパブリカ」は10月10日、ドナルド・トランプ米大統領が自身の大口献金者であるユダヤ系のカジノ王、シェルドン・アデルソンが経営するカジノ大手の日本参入を求めて、昨年2月に安倍晋三首相に口利きをしたと報じた。
トランプは2017年2月10日、ホワイトハウスの日米首脳会談で安倍に会った。両首脳は2国間の貿易協定締結の可能性や、日米安全保障条約について議論した。その後の共同記者会見でトランプは、安倍とは「非常に相性がいい」と言っていた。
その日の夜、トランプがホワイトハウスで夕食を共にしたのは、米カジノリゾート大手「ラスベガス・サンズ」の会長を務めるアデルソンだった。アデルソンは2016年の米大統領選でトランプ陣営に2000万ドルを献金し、2017年1月に行われた大統領就任式でも最高額となる500万ドルを寄付するなど、トランプの大口献金者として知られる。会食には、トランプの娘婿ジャレッド・クシュナー大統領上級顧問とレックス・ティラーソン国務長官(当時)も同席した。
翌朝、アデルソンは他の米企業のCEOらとともに、首都ワシントンの米商工会議所で安倍との朝食会に臨む。出席者によれば、アデルソンはその際、安倍に直接カジノの話題を持ちかけた。日本は数年にわたる議論の末、この訪米の約1年半後の今年7月に統合型リゾート施設(IR)整備法を成立させ、カジノ合法化を決めた。日本のカジノ市場は250億ドル規模になる、と専門家は見ている。
アデルソンが安倍と話した直後の週末、トランプはフロリダ州パームビーチに所有する高級ゴルフリゾート「マー・ア・ラゴ」に安倍を招待した。トランプはその際、ラスベガス・サンズの日本参入を許可するよう安倍に直談判した、とプロパブリカは伝えている。
2人のやり取りに関してブリーフィングを受けたある関係者によれば、ラスベガス・サンズに免許を交付してやってほしい、というトランプのあまりに「恥知らず」な要求に、日本政府の関係者は驚いていたという。
安倍はトランプに対し、情報をありがとうとは言ったが、それ以上の返答はしなかったという。
ごり押しはほかにも
トランプはアデルソン以外に、少なくとももう1つのカジノ大手の名前を挙げたとされる。それが「MGM・リゾーツ・インターナショナル」だったのか、「ウィン・リゾーツ」だったのかについては、見方が分かれる。後者の創設者は、トランプや共和党とつながりが強く、セクハラ問題で今年2月に共和党全国委員会の財務委員長を辞任したスティーブ・ウィンだ。日本経済新聞は2017年6月の記事で、トランプが安倍に伝えた企業名にはMGMが含まれていた、と報じている。
ラスベガス・サンズの広報担当者はプロパブリカの報道を受けて、「娯楽産業は長年、日本市場参入の機会を狙ってきた」としたうえで、同社はそのために「多大な投資を行ってきた」とする声明を発表した。
ホワイトハウスとワシントンの日本大使館は、この件に関してコメントを控えている。
アデルソンは11月6日の中間選挙でも、妻とともに共和党候補の最大の献金者となっている。ニューヨーク・タイムズ紙によれば、彼は共和党が米上下両院で過半数を維持できるよう活動する支援団体に対して、すでに5000万ドル以上を寄付しているという。
(翻訳:河原里香)
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