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野生生物日本の象牙ネット取引停止求めるWWF 大手ではヤフーのみ応じず「合法に行われている」
9月13日、世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)は、ヤフーが象牙取引を容認していることで、国際的な違法取引の供給源になるリスクがあるとして、取引停止を求める要望書を24の国・地域のWWFと連名で提出した。写真は密輸業者から押収され燃やされる象牙。ケニアのナイロビ近郊で2016年4月撮影(2018年 ロイター/Siegfried Modola)
世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)は13日、ヤフーが象牙取引を容認していることで、国際的な違法取引の供給源になるリスクがあるとして、取引停止を求める要望書を24の国・地域のWWFと連名で提出した。
WWFジャパンの野生生物取引監視部門トラフィックは同日、インターネット上で行われている象牙取引の実態調査に関する報告書を公表した。それによると、すでに取引を禁止している楽天とメルカリは「禁止方針が大きな効果を見せた」と結論付けたが、取引を容認しているヤフーについては「取り組みが国内規制が求める最低限度にとどまっており、合法性の証明が欠如した製品の取引を相当量許容している」と批判。「国際的な違法取引にも影響しかねない」として取引停止を求めた。
日本では牙の形をした「全形」以外の製品については合法性の証明は義務化されていないため、個人がヤフーのオークションサイトで象牙のアクセサリーなどを取引しても違法になるわけではない。ただ、トラフィックはこの象牙を手軽に売買できる環境が規制の抜け穴になっているとの見方を強めている。
報告書では、中国で摘発された密輸事件の被告が裁判でヤフーオークションで入手したと証言したケースも紹介されている。
トラフィックによると、日本におけるインターネットでの象牙取引は、特に中国への違法輸出という形で国際的な違法取引の供給源になっていると認識されているという。
これに対して、ヤフーの広報担当者は「違法な象牙取引は許容していない」とあらためて強調。「適法な取引の後の流通状況を当社が把握することは難しく、違法な輸出は税関を中心に取り締まって欲しい」と要望した。
政府によると、日本がワシントン条約の締約国になってから象牙の国際取引が禁止されるまでの間(1981年から1989年)に合法的に輸入した象牙は約2006トン。さらにその後の2回の輸入で89トンが入ってきており、合法的に輸入された象牙は約2095トンにのぼる。
ヤフーはこの象牙がインターネットで合法的に取引されているという立場だ。
トラフィックによると、象牙目的で違法に殺されるアフリカゾウは年間2万頭以上にのぼり、過去10年間、危機的なレベルにある。ヤフーは「日本の国内取引がアフリカゾウの密猟につながっているというデータはない」とした上で、「密猟や絶滅につながるような取引も許容していない」と重ねて強調した。
(志田義寧)
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