ロシア、シリア介入で「行き詰まり」他国に資金援助求める=ボルトン米補佐官
トルコの「大きな過ち」
また、トルコ情勢についてボルトン補佐官は、「トルコ政府はブランソン牧師を解放しないとという大きな過ちを犯した。西側の一員である北大西洋条約機構(NATO)加盟国として正しい行いをし、牧師を解放すれば、この危機は即座に終わる可能性がある」と語った。
米国はトルコのNATO加盟を問題視するかとの質問に対しては「今のところ問題ではない。ブランソン牧師をはじめトルコ政府が不当に拘束している米国人の問題を重視しており、いずれ解決すると見込んでいる」と語った。
カタールがトルコに150億ドル規模の支援など経済援助を行う方針だが、ボルトン補佐官はトルコ経済の支援には不十分とし、状況を注視すると述べた。
イラン制裁効果
一方、米政権が今月再開した対イラン制裁について同補佐官は、想定以上の効果が上がっているとの認識を示した。
「制裁再開は既に、イランの経済や同国世論に対して、かなりの影響を及ぼしているとみている」と述べた。
イラン経済は高失業率と高インフレに見舞われ、通貨リヤルは4月以来、価値が半減した。制裁再開で状況が一段と悪化する可能性がある。最近は食品価格高騰や失業、汚職に抗議するデモが発生している。
補佐官は「(制裁再開の)経済への影響は想定していたよりも大きい」と指摘。一方、イラクやシリア、レバノン、イエメン、ホルムズ海峡を例に「域内におけるイランの行動は引き続き好戦的」と批判した。
また会見では、「イランの体制変更は米国の政策ではない。われわれが求めているのはイランの行動が大きく変わることだ」と述べた。
ボルトン氏は5月、イランの政権交代は米トランプ政権の政策ではないと述べていた。
2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら