最新記事
アメリカ政治米FBI、トランプ批判発言の捜査官を解雇
8月13日、トランプ米大統領批判を巡り共和党から非難の声が上がっていたピーター・ストロークFBI捜査官(写真)が、10日付で解雇された。ワシントンで7月撮影(2018年 ロイター/Joshua Roberts)
トランプ米大統領批判を巡り共和党から非難の声が上がっていた米連邦捜査局(FBI)のピーター・ストローク捜査官が、10日付で解雇された。同氏の弁護士が13日明らかにした。
ストローク氏を巡っては、2016年の米大統領選中に共和党候補だったトランプ大統領を批判するテキストメッセージを送っていたことが明らかになっており、共和党はFBIがトランプ氏に対して中立的立場にない証しだと繰り返し指摘してきた。
ストローク氏は、ヒラリー・クリントン氏の国務長官時代の私用メール問題を巡る捜査に深く関わっていた。モラー特別検察官が主導するロシア疑惑に関する捜査にも関わっていたが、トランプ氏批判のメッセージが明るみに出た後、捜査から外されていた。
トランプ大統領はツイッターへの投稿で「ストローク捜査官がようやく解雇された」とし、「FBIと司法省の悪人リストは長くなる一方だ」とコメントした。
トランプ大統領就任以降、FBIから解雇された高官はジェイムズ・コミー前FBI長官、アンドリュー・マケイブ元副長官に次いで今回で3人目。コミー、マケイブ両氏は、モラー特別検察官による捜査の重要証人であることが解雇の理由と主張している。
ストローク氏の弁護士は、解雇決定はFBIの職務責任局(OPR)が提言していた60日の職務停止と降格による処分に沿っていないと指摘。また、人事に関して適切な手続きに従うとするレイFBI長官のこれまでの約束にも反すると主張した。
FBIは声明で、通常の調査と懲戒手続きに準じたと強調した。OPRは調査結果やストローク氏の回答に基づき処分を決めたが、ボウディック副長官は必要に応じて懲戒に関する判断に変更を加える権限があるとした。
ストローク氏の弁護士によると、FBIの職員は通常、処分に関する不服申し立てを審査委員会に対して行うことができるが、今回のケースではこの手続きが省かれたという。