最新記事

日本経済

アマゾンに続け! 三菱UFJ、デジタルコインでレジなし店舗の社内実験開始

2018年4月23日(月)09時36分

4月23日、三菱UFJフィナンシャル・グループが、独自に開発を進めるデジタル通貨「MUFGコイン」を使った実証実験を進めている。写真はMUFGのロゴ。都内で2016年5月撮影(2018年 ロイター/Thomas Peter)

三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>が、独自に開発を進めるデジタル通貨「MUFGコイン」を使った実証実験を進めている。23日からは米アマゾン・ドット・コムの認証技術を使い、レジを通さずに買い物の決済をする試みを始める。関係者が明らかにした。

今回の実証実験で得たノウハウは、MUFGコイン関連に限らず、既存の銀行業務での応用も検討する。例えば、銀行の支店で顔認証技術を活用することでよりスムーズな接客ができるようになるなどが考えられる。

実験では社内にコンビニエンスストアを模した無人店舗を設置。アマゾンウェブサービスの画像認識技術を使い、社員が飲料などの商品を手に取り、そのまま店を出ると自動的に本人のMUFGコインアプリに代金が請求されているかを確認する。

アマゾンはすでに米国でレジのない店舗「アマゾンGO」をオープンしている。三菱UFJは自社でも同様の実験をし、顔認証や機械学習の要素技術の検証を進める。

これとは別に、先週から三菱UFJの本部ビル内にある実際のコンビニエンスストアでは、MUFGコインでの支払いに対応するレジを設けて、店舗での決済の実証実験も始めている。

MUFGコインは価値が固定されており一般的な仮想通貨とは異なる。また電子マネーとは違い、利用者間での送金ができることから両者の中間の「デジタル通貨」との位置づけだ。

ただ、キャッシュレス決済の手段としては、クレジットカードをはじめ世の中にはすでにさまざまなものが存在する。そのため、三菱UFJはさまざまな実証実験を通じて、新しい使われ方を探している。

(浦中 大我)

[東京 23日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 トランプショック
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月22日号(4月15日発売)は「トランプショック」特集。関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トランプ氏、対日関税交渉で「大きな進展」 代表団と

ワールド

ウクライナ、米との鉱物協定協議で大きな進展 覚書署

ビジネス

トランプ関税で低所得層が新車買えない事態に、日産北

ビジネス

FRB議長、市場介入に「説明付きのノー」 関税の影
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気ではない」
  • 3
    【クイズ】世界で2番目に「話者の多い言語」は?
  • 4
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 5
    紅茶をこよなく愛するイギリス人の僕がティーバッグ…
  • 6
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 7
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 8
    NASAが監視する直径150メートル超えの「潜在的に危険…
  • 9
    あまりの近さにネット唖然...ハイイログマを「超至近…
  • 10
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 1
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 2
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 3
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止するための戦い...膨れ上がった「腐敗」の実態
  • 4
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 5
    「ただ愛する男性と一緒にいたいだけ!」77歳になっ…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 7
    コメ不足なのに「減反」をやめようとしない理由...政治…
  • 8
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 9
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 10
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 9
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中