いったい何のため?シリアの子供たちを化学兵器で攻撃
1年前にもシリア北西部の反政府勢力支配地域ハーンシャイフーンでサリンによる攻撃が起き、80人が死亡した。その後の国連と化学兵器禁止機関(OPCW)の合同調査でも、この攻撃はシリア政府が行ったとの結論が出ている。
この時、トランプは対抗措置として、シリア政府軍の施設に対するミサイル攻撃を命じ、7人が死亡し9人がけがをした。これはアサド政権に対する米政府の初の直接的な軍事行動だった。
東グータ近郊では13年8月にもサリンを使った攻撃が行われた。米オバマ政権やその同盟国からアサド政権の関与を主張する声が上がり、国連の調査が行われた。
ロシア仲介の反政府勢力の撤退交渉は頓挫
トランプ政権が今後、シリアにおけるさらなる軍事行動にどれほどに積極的に取り組むかは分からない。というのもトランプは数日前、ISIS(自称イスラム国)との戦いのためシリアに駐留する2000人の米部隊を撤退させる意向を示したばかりだからだ。
もっともトランプは、撤退のスケジュールついて具体的な言及はしていない。
シリア政府はまた、反政府勢力に対し塩素ガス攻撃を繰り返していると非難されている。最近の例としては東グータで1月に行われた攻撃が挙げられる。
ホワイト・ヘルメットのサレハはアルジャジーラに対し、7日の攻撃では塩素ガスやもっと毒性の強いガスが使われたと述べた。
ドウマは東グータで最後に残された反政府勢力が支配する町で、ロシアの支援を受けたシリア軍からの激しい爆撃にさらされてきた。
イギリスに拠点を置くシリア人権監視団によれば、ドウマでの爆撃による民間人の死者は6日以降だけで70人に上るという。ドウマでは、反政府勢力の撤退に向けたロシア政府の仲介による交渉が頓挫した後、空爆が再開されていた。
(翻訳:村井裕美)