凍てつく辺境の地、記者が旅した中国=北朝鮮の国境地帯
一面の氷を隔てて、臨江市の川に浮かぶ島には、北朝鮮側に向けられた巨大な映写スクリーンがあった。画面には人民解放軍の宣伝ビデオが流れ、国境地帯の混乱につながりかねない活動を禁止する警告メッセージが放映されていた。
それは重要な事実を示している。中朝の国境は穴だらけのような印象を受けるが、だからといって、中国が多少なりとも警戒を怠っていると判断するのは早計だということだ。
肉眼では察知できない熱源センサー、監視衛星などはさておき、道路脇や上方には随所にカメラが設置されており、戦略的に配置された検問所には、重武装の兵士が常駐している。
中国系オーストラリア人女性記者とボスニア人男性カメラマンという組み合わせが奇妙なカップルにみえたのかもしれない。検問所のたびに警察に停止を命じられた。身元確認を終えると、問答無用ですぐにそこから追い出された。つまり、写真を撮ろうと、ウロウロするなということだ。
そのため、国境の中間あたりにある貧しく未開発の地域については取材できないまま終った。「何か深刻な事態が起きた場合に」想定される北朝鮮からの難民流入を防ぐため、中国が軍事拠点を築いているという語る人々もいた。
自分たちの任務は秘密だ、兵士たちはそう語った。
(翻訳:エァクレーレン)
[12日 ロイター]
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