安倍首相の対北政策と日米首脳会談を酷評する中国
6者会談の関係国の内、「対話路線」を重視していないのは安倍だけになってしまったことに注目しなくてはならない。
*以上が、論説委員の激しい安倍批判である。*
この報道の後に、安倍首相は22日に開催された拉致被害者家族会や支援団体「救う会」による「国民大集会」に出席し、「南北、米朝首脳会談の際に拉致問題が前進するよう、私が司令塔となって全力で取り組む」と語った。
これに対して拉致被害者の家族である蓮池透さんがツイッターで「司令塔?この期に及んで。どうやって?」と書き込んで、安倍首相の発言と拉致問題への取り組みを批判している。
その意味では、拉致問題に関するCCTV論説委員の解説と一脈通じるものがあり、複雑な気持ちで拉致被害者家族のツイッターを読んだ。
なお、CCTVのこの解説に関してリンク先を探したが見つからず、その傍証として、文章化されているCCTVの類似の記事をご紹介したい。
CCTVウェブサイトが日米首脳会談を酷評
CCTVのウェブサイト「央視網」(「央視」は「中央電視台」の略で、「網」はネット、ウェブサイトの意味)は「安倍は"越頂外交"により窮地に トップ・ギャンブルは危うく"トランプ・金会談"で失敗するところだった」というタイトルで長い報道をしている。
ここで「越頂外交」とは「同盟国を裏切って、対立国と裏取引をする」という意味だ。「トップ・ギャンブル」というのは、「安倍首相が日米首脳会談を行うに当たり、一種の危ない賭けに出た」ということを指している。
その内容は、実に多岐にわたり非常に長いので、興味のある方はリンク先をお目通し頂くことにして(写真が多く、簡体字だが漢字なので、それとなく推測できる)、ここではこのページで扱っているテーマだけを個条書きにするに留めたい。以下に概要を個条書きで示す。
1.米朝関係は急激な転換を見せ、日米間には貿易摩擦もあるので、安倍は不安を感じ、日米首脳会談に対して賭けに出た。
2.ところが日米首脳会談中、トランプは突然アメリカの非常に高いレベルの高官が北朝鮮と会談していると述べ、安倍を驚かせた。トランプと金正恩との電話会談などが既に行なわれてしまったのかと、アメリカのメディアも色めきだった。しかし直後に、それが国務長官に就任することになっているポンペオCIA長官であると、トランプ自身がツイッターで暴露し話題をさらった。安倍の日米トップ会談で日本がリードしようとしたギャンブルは、危うく完全な失敗に終わるところだった。