H&M人種差別問題の過熱で幼いモデルが引っ越しに追い込まれた
今回のH&Mへの批判は凄まじい。ある人は「もうH&Mにお金を使わない」と書き、別のツイッターユーザーは、写真が掲載されるまでに、内部の人間が問題に気づかなかったことを疑問視した。
その一方で行き過ぎだという擁護のコメントもある。「私には、可愛い黒人の男の子が『ジャングルで一番クールなサル』って書かれたセーターを着ているのが見えるだけ。それしか見えない。参考になるといいけど」。H&Mと仕事をした経験があるユーザーは「スウェーデンの本社は、人種差別、カルチャー、社会問題などとは乖離している。多分、本当にかわいいと思っているだけ」と言った。
Well. I see a sweet little black boy wearing a sweater with 'coolest monkey in the jungle.' I see nothing else. Hope this helps.
— simon mount (@simonmount1) 2018年1月8日
モデルの親のコメントが火に油を注いだ? 引っ越すまでに
この騒動で一躍渦中の人となったのが、スウェーデン在住の黒人子供モデルのリアム・マンゴ(5)。息子の写真が大騒動となった母親のテリー・マンゴは一連の動きを見て、自身のフェイスブックで「これは問題にする必要のないことです。もう終わらせてください」とコメントした。BBCによると、H&Mが人種主義的な考えを持っていたとは信じていない。
現状では母親の思いは世の中に届いていない。英インディペンデントなどの報道によると、南アフリカ共和国のヨハネスブルクでは、H&M店舗に過激派の野党「Economic Freedom Fighters:EFF(経済的解放の闘士)」の呼びかけに賛同した民衆がH&Mの店舗に押し寄せ抗議活動を行った。店内を荒らされて休業に追い込まれた店舗もあるという。
BBCによると母親は、これまで住んでいたストックホルムの家から「安全上の懸念」を理由に引っ越した。安全上の懸念がどのようなものか、詳細のコメントは控えているが、ヨハネスブルグのH&M店舗への抗議活動が理由の1つと語っている。
世界を巻き込み、大騒動にまで発展した一枚のパーカーと幼いモデル。母親は「リアムはまだ5歳で、何が起こっているのか分かっていない...人種差別を経験したこともない」と言う。「リアムは無実だというだけ」