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安全保障自衛隊とフランス軍、2月に共同訓練で合意 中国念頭に関係強化
1月26日、日本とフランス両政府は4回目となる外務・防衛担当閣僚による会合(2プラス2)を開き、今年2月に自衛隊とフランス軍が共同訓練を行うことなどで合意した。太平洋やインド洋で影響力を拡大する中国を念頭に、安全保障面の協力を強化する。写真は東京で記者会見する河野外相とフランスのドリアン外相(2018年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
日本とフランス両政府は26日、4回目となる外務・防衛担当閣僚による会合(2プラス2)を開き、今年2月に自衛隊とフランス軍が共同訓練を行うことなどで合意した。太平洋やインド洋で影響力を拡大する中国を念頭に、安全保障面の協力を強化する。
フランス海軍は今年2月にフリゲート艦をアジアに派遣する予定。日本にも寄港し、その際に自衛隊と共同訓練を実施する。パルリ国防相は会合後の共同会見で「力によって物事を治めようとする脅威について確認した」と説明。「日本はこの地域での必然的なパートナー。より一層協力を前進させたい」と語った。
ニューカレドニアやタヒチなど、南太平洋に領土を持つフランスは、中国がアフリカから太平洋にかけて影響力を拡大していることを懸念している。昨春には強襲揚陸艦を南シナ海経由で長崎県の佐世保基地に寄港させ、米領グアムまで陸上自衛隊の部隊を乗せて航行した。
このほか会合では、自衛隊とフランス軍が燃料や弾薬、食料などを融通し合うために必要な物品役務相互提供協定(ACSA)の締結を急ぐことで合意した。初の防衛装備協力案件となる次世代機雷探知技術の共同研究を早期に開始することでも一致した。
国際社会の差し迫った脅威となった北朝鮮の問題については、核・弾道ミサイル開発の放棄を目指して最大限の圧力をかける方針を確認した。北朝鮮の船に洋上で石油などの積荷を引き渡す「瀬取り」を含め、制裁逃れを防止するよう連携する。
河野太郎外相は「世界の活力の中核になりつつあるインド・太平洋地域を自由で開かれた公共財とするために、日本とフランスで協力を具体化することで一致した。フランスによるこの地域へのさらなる関与を歓迎したい」と述べた。
(久保信博 編集:田巻一彦)