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ロシア疑惑トランプがムラー特別検察官を解任したら弾劾だ
エルサレム首都認定という暴挙の次はムラー解任という暴挙か Yuri Gripas-REUTERS
<トランプが自らのロシア疑惑をチャラにしようとするのではないかという観測が強まっている。独立検察官を年内にも解任する、というのだ>
ドナルド・トランプ米大統領が、ロシア疑惑の独立捜査を指揮するロバート・ムラー特別検察官を年内にも解任する、という観測が強まっている。2016年の大統領選でトランプ陣営がロシアと共謀して選挙結果を有利に操作しようとしたという疑惑を葬り去るためだ。
もしそれが現実になったら、米議員と市民は一丸となって街頭に繰り出し、ドナルド・トランプ米大統領の弾劾を求めるべきだと、かつて米政府倫理局の局長を務めたウォルター・シャウブは言う。
「トランプ大統領と彼の弁護団が口々にムラーの捜査を悪しざまに言う現状は警戒すべきものだ」と、シャウブは12月15日の声明で言った。「米議会は、法の支配への暴力に加担してはならない。ムラー解任は、絶対に超えてはならない『レッドライン』だというメッセージをトランプに伝えるべきだ」
バラク・オバマ米前政権時代に米政府倫理局長に指名されたシャウブは、トランプ政権への移行期からトランプへの懸念をたびたび表明してきた。シャウブは、既存の倫理規定を大幅に改善する必要があるとして7月に辞任した。現在は米非営利団体「キャンペーン・リーガル・センター」のディレクターを務めている 。
シャウブは自身のツイッターで、マット・ガエッツ米下院議員(フロリダ州選出、共和党)の発言を批判した。ガエッツは15日に米CNNの番組に出演した際、ロシア疑惑を捜査するムラーについて「証拠があるなら出せ、何もないなら黙っておけ」と言った。
「ムラーの解任に向けて、共和党の同志にも協力を求めたい」とガエッツは言った。
クリスマス休暇の隙をついて
シャウブや米民主党議員に言わせれば、ムラーを貶める動きは断じて容認できず、実行されれば反発は必至だ。もしムラーが解任されれば、いつでも「街頭デモを行える」よう計画しておくべきだと、シャウブはツイッターで呼び掛けている。
シャウブは15日の声明の中で、ムラーの捜査チームによる利益相反の疑いを捜査する特別検察官を新たに擁立するよう求めたトランプの弁護士の主張について、明らかに「事態の混乱」を狙ったもので、ムラーの捜査を妨害する行為にほかならないと批判した。
今、議員らが懸念するのは、クリスマス休暇で人々の関心が薄れ、議会が休会する隙をついて、トランプが年内にムラーを解任する可能性だ。
ムラーが不当に解任されるのを阻止する法案成立に向けた、超党派の動きはある。だが捜査の緊張が高まるにつれ、米議会関係者の間では、トランプはいずれにしてもムラー解任という禁じ手を使うのではないか、という憶測が飛んでいる。
トランプが「レッドライン」を超えた場合に備え、議員らは計画を立てておく必要があると、シャウブは言う。すでに一部の議員はトランプの弾劾を求める決議案を提出したが、上下両院で共和党が多数派を占める議会ではことごとく廃案になった。ムラーの解任が発表された場合に備えて、自分も街頭デモに繰り出す英気を養っていると、シャウブは言う。
「アメリカの未来を決定づける瞬間になる」
(翻訳:河原里香)
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