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「核のボタン」をトランプは押せるか

2017年12月1日(金)19時00分
フレッド・カプラン(スレート誌コラム二スト)

しかし核兵器の先制ないし予防的使用は許されない、今こそ「反撃」と「先制」の場合の対応の違いを明確にすべきだ。マーキーはそう熱弁を振るった。ちなみにH・R・マクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)は北朝鮮情勢に関して、「予防的」な核攻撃も選択肢の1つだと公言している。

正当な理由もなく先制攻撃を仕掛ける「権限は誰にもない」とマーキーは論じた。「大統領の行動に対するチェックを軍人に任せるのがいいとは思わない」とも述べ、行政手続きでも不十分だし、現場の軍人が大統領の命令に背くことを期待するわけにもいかないと指摘した。

「われわれはこの問題について議論を深めるべきだ」とマーキーは続けた。「今日聞かされた証言くらいでは国民は満足しない。ドナルド・トランプはツイッターで自分のアカウントを起動するのと同じくらい簡単に、核ミサイル発射コードを入力できる」

ところが、この発言を受けてコーカー委員長は閉会を宣言した。要領を得ないこと甚だしい公聴会だった。次回は何年先の開催になるのやら。

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© 2017, Slate

[2017年11月28日号掲載]

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