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ODA日本がフィリピンに海上監視レーダー 海賊取り締まりで中国に対抗
11月10日、日本政府は、フィリピンに海上監視レーダーを譲渡することを決めた。写真は安倍首相。都内で3月撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)
日本政府は、フィリピンに海上監視レーダーを譲渡することを決めた。同国南部の海域で多発する海賊の取り締まりを支援する。安倍晋三首相が13日に開幕する東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議に出席するため、マニラを訪れるのを機に合意する見通し。
レーダーはフィリピンの沿岸警備隊が運用。日比両政府の複数の関係者によると、同国南部のスールー海とセレベス海の4カ所に設置を予定している。日本は政府開発援助(ODA)で無償譲渡する。
イスラム武装勢力による分離独立運動が長年続いた南部ミンダナオ島は、過激派組織イスラム国の影響力が広がるなど、今も不安定な状況が続いている。周辺海域では海賊が続発し、日本の商船からも不安の声が強まっている。
同海域の海賊対策をめぐっては、中国も関与を強めている。日本はフィリピンやインドネシアなど周辺の当事国が自身で対処できるよう、レーダーや巡視船の譲渡などを通じて能力向上を支援している。
日本は安倍首相のマニラ滞在中、陸上自衛隊のヘリコプター部品をフィリピン空軍に譲渡することでも合意する見通し。
(久保信博、ティム・ケリー 編集:田巻一彦)
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