サウジ当局が逮捕者収容のため2軒目の高級ホテルを接収
2017年11月13日(月)17時31分
一斉逮捕が始まったのは、国王の後継者ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が新設の「汚職対策委員会」のトップに就任した直後。同委員会は、汚職の容疑者に対する捜査、資産の凍結、渡航の制限などを行う強大な権限を持つ。
支配階級の汚職を裏付けるかなりの証拠が集まったとして、捜査当局は一斉逮捕を正当化する。サウジアラビアのシェイク・サウド・アル・モジェブ司法長官は9日の声明で、汚職による同国の損失額は1000億ドルに上ると明らかにした。「3年間の捜査の結果、過去数十年にわたる組織的な汚職や横領で少なくとも1000億ドルの公金が不正に流用された」
ムハンマド皇太子は、父サルマン国王からの王位継承に向けて権力基盤の強化を進めている。今回の一斉逮捕は、汚職撲滅を口実にライバルの有力王族や富豪を排除し、ムハンマド皇太子への権力集中を狙ったものではないか、とする見方もある。
汚職撲滅であれ権力闘争であれ、ホテルを2軒も接収するのはかなりの規模だ。
(翻訳:河原里香)
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