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コンプライアンス経産省、神鋼に外部調査委設置を指示 「信頼性根本から損なう」
10月20日、経済産業省は神戸製鋼が品質不正で新たな事案を発表したことを受け、記者会見を開いた。写真は都内の同社。10日撮影(2017年 ロイター/Issei Kato)
経済産業省は20日夜、神戸製鋼<5406.T>が品質不正で新たな事案を発表したことを受け、記者会見を開いた。
製造産業局の小見山康二・金属課長は、神戸製鋼が品質の自主点検を巡り、隠蔽工作があったと発表したことについて「このような行為は自主点検を通じた事実調査の信頼性を根本から損なうものだ」と強く批判。その上で「自主点検のみを前提としたこれまでの指示を見直さざるを得ない」として、新たに、1)これまでに判明した事案の安全検証については10月12日の指示通り、2週間程度で結果を公表すること。新たに事案が判明したら、それらも速やかに安全検証を行い公表すること、2)外部の専門家のみからなる外部調査委員会を速やかに立ち上げ、事実調査・原因究明・再発防止を行うこと――の2点を指示した。
神戸製鋼は同日、JIS(日本工業規格)マーク表示製品で不適切な行為があったと発表。これについて、梅原尚人副社長は「JIS規格外での書き換えは法令違反になる」との認識を示した。
産業技術環境局の萩原崇弘・基準認証政策課長は今回の事案が法令違反に当たるかどうかについて「法令違反かどうかは説明が難しい」と判断を避けつつも、「法令違反の恐れがあるから認証機関が再審査に入っている。結果が出るまでは慎重に状況を見守りたい」と語った。
神戸製鋼は検査結果をJIS規格よりも厳しい社内規格を満たすために書き換えていたが、JIS規格自体は満たしていることから「安全性に問題はない」としている。
今回の事態が公共事業の入札に影響を与えるかどうかに関しては「直ちに入札の排除要件になるとは認識していない」(小見山課長)という。
(志田義寧)