最新記事

フェイスブック

被災地を利用したザッカーバーグに「心ない富豪」批判

2017年10月11日(水)16時30分
アンソニー・カスバートソン

被災地プエルトリコを仮想体験できると語ったザッカ―バーグ Mark Zuckerberg/FACEBOOK

<VRアプリの宣伝のためにアバターとして動画に登場したザッカーバーグ。ハリケーン被災地のプエルトリコを背景に使ったことで思わぬ批判が>

米フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグCEOが、フェイスブックユーザーに「心ないビリオネア(富豪)」というレッテルを貼られてしまった。

バーチャル・リアリティー(VR)のキャラクターに扮したザッカ―バーグが、大型ハリケーン「マリア」で被災した米自治領プエルトリコを映したライブ動画に登場したところ、これが「(被災地の)のぞき見ツアー」と批判されて炎上したのだ。

ザッカーバーグは、VR部門の統括者レイチェル・フランクリンと共に、フェイスブックのVRアプリ「Spaces」を宣伝する動画に3Dのアバターとなって登場。被災地支援の現場などで赤十字や民間の支援団体と連携しているとアピールした。


  (c) Facebook

ザッカーバーグは、先月下旬にプエルトリコに上陸したハリケーン「マリア」の名前を度忘れしたらしく、それを取り繕うかのように人々が被災地を仮想体験できるVRは「マジカルだ」と称えた。

「あなたもここで起きた被害の一部を感じ取れる。ハリケーン......あのハリケーンによる被害が」と言ってから、ザッカーバーグ一瞬口ごもり、話題を変えた。「VRが本当にマジカルなのは、あなた自身が本当にその場所にいる感覚を味わえることだ」

ザッカーバーグはこの後、洪水に浸かった家並みの映像をバックに、フランクリンとハイタッチして見せた。

これがユーザーの批判を招いた。

「VRのカッコよさをアピールするために災害を利用するのは、ちょっとおかしくないか」「これってジョーク?」「都合の良い災害を見逃せないのだろう。やるべきことはフェイスブックの宣伝。いかにも彼らしい。被災者や住民の苦しみには触れず、フェイスブックのことばかりしゃべっている」と否定的なコメントが寄せられた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ガザでジャーナリスト5人死亡、イスラエルは戦闘員標

ビジネス

NY外為市場=ドル一時158円台、5カ月ぶり高値

ワールド

レバノン、シリア暫定政府と善隣関係を期待

ワールド

プーチン氏、スロバキア主催のウクライナ和平交渉の可
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2025
特集:ISSUES 2025
2024年12月31日/2025年1月 7日号(12/24発売)

トランプ2.0/中東&ウクライナ戦争/米経済/中国経済/AI......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊」の基地で発生した大爆発を捉えた映像にSNSでは憶測も
  • 2
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3個分の軍艦島での「荒くれた心身を癒す」スナックに遊郭も
  • 3
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部の燃料施設で「大爆発」 ウクライナが「大規模ドローン攻撃」展開
  • 4
    「とても残念」な日本...クリスマスツリーに「星」を…
  • 5
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 6
    ウクライナの逆襲!国境から1000キロ以上離れたロシ…
  • 7
    日本企業の国内軽視が招いた1人当たりGDPの凋落
  • 8
    滑走路でロシアの戦闘機「Su-30」が大炎上...走り去…
  • 9
    なぜ「大腸がん」が若年層で増加しているのか...「健…
  • 10
    世界がまだ知らない注目の中国軍人・張又俠...粛清を…
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 3
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊」の基地で発生した大爆発を捉えた映像にSNSでは憶測も
  • 4
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 5
    ウクライナの逆襲!国境から1000キロ以上離れたロシ…
  • 6
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 7
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医…
  • 8
    9割が生活保護...日雇い労働者の街ではなくなった山…
  • 9
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 10
    【駐日ジョージア大使・特別寄稿】ジョージアでは今、…
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 3
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊」の基地で発生した大爆発を捉えた映像にSNSでは憶測も
  • 4
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼ…
  • 5
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 6
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 7
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 8
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 9
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 10
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中