ISISが食品への毒物混入テロを指示
また今年7月の報道によれば、シドニー発アブダビ行きの旅客機を墜落させようとしたとして拘束された容疑者が、ISISの指示を受けて、機内で毒ガスを撒いて乗客や乗員を動けなくすることを計画していたことがわかった。
この容疑者は、バッグの重量が機内持ち込みの手荷物の重量制限を数キロ超過したため、飛行機に搭乗する前に計画をあきらめていた。しかしこの毒ガス計画は、航空機の安全管理上、新たな脅威が出現したことを示している。
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ISISに感化されたテロリストは、アメリカやヨーロッパでのテロで多くの犠牲者を出してきた。2015年11月にはパリの同時テロで130人が死亡。2016年7月のフランス南部ニースのトラック暴走テロでは86人が死亡。また同年6月にフロリダ州オーランドのLGBT向けナイトクラブで発生した銃乱射事件では49人が死亡した。毒物が入手できれば使う者も現れるだろう。
毒物の扱いはISISの専門分野の1つでもある。イラクで、ナチスドイツで行われたような囚人に対する毒物実験を行っていたのだ。イラクの特殊部隊は、モスル大学でISISが化学兵器の実験に「人間モルモット」を使っていたことを示す文書を発見したという。英タイムズ紙によれば、英米軍もこの文書を確認している。
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