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韓国はいつ誕生した? 建国年をめぐる左右バトルの行方

2017年8月24日(木)17時21分
前川祐補(本誌記者)

大統領が「1919年建国」の制定を急ぐ理由

議論の高まりが予想される建国年論争の決着には時間が掛かりそうなもの。それでも文が「1919年建国」の制定を急ピッチで進めるのは、憲法改正だけでなく韓国社会の変化がある。

確かに、文は保守政権だった朴槿恵(パク・クネ)前大統領による腐敗した政治からの脱却を託されて大統領になった。だがそれは、支持者全てが1919年建国を支持し、さらには北との融和的統合を目指しているということではない。

例えば、大統領選で若い世代の支持を受けた文だが、それでも20代の若者の間ではかつて北朝鮮と激しく対峙した朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領に対する一定の評価が見られる。北朝鮮によると見られる2010年の延坪島砲撃事件や、韓国海軍哨戒艦「天安(チョナン)」の撃沈事件を子供の頃に目の当たりにした若い世代の「保守化」傾向は強まっている。第二次大戦からも朝鮮戦争からも長い時間が経過したことで、民族意識よりも「大韓民国の国民」という意識が強まっているのが実情だ。

こうした社会情勢の変化の中で、建国年をめぐる左右対立はどこに着地するのか。

一般的に、国家の成立には国民、領土、実効支配できる政府が要件として求められる。加えて重要なのが他国からの承認だと、浅羽は指摘する。1919年に設立された韓国臨時政府は、どの国からも承認を得ていなかった。「臨時政府を支援していた中国国民党でさえ承認しなかった事実が、全てだと思う」

【参考記事】前のめりの韓国、最低賃金アップで文在寅がダウン
【参考記事】あの〈抗日〉映画「軍艦島」が思わぬ失速 韓国で非難された3つの理由

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