韓国の文大統領、北朝鮮と米国の対立緊迫化で外交に手詰まり感
韓国大統領府の報道官によると、トランプ氏は1週間前に文氏と電話で会談し、朝鮮半島で悲劇的な戦争を絶対に起こしてはならないと述べた。しかしその数日後には北朝鮮が米国を脅かせば炎と怒りに遭うと警告。さらに北朝鮮が米領グアムへの新型中距離弾道弾ミサイル発射計画を発表し、北朝鮮と米国の間では先週、緊張が一段と高まった。
両国は互いに発言の過激さがエスカレートしてきており、突発的な衝突への不安が高まっている。韓国の首都ソウルは北朝鮮との国境からわずか40キロメートルに位置し、2500万人が暮らすだけに、実際に衝突が始まれば多数の死傷者が出るだろう。
北朝鮮との対話路線を掲げて大統領に就任した文氏は、1998年─2008年の対北関与政策で重要な役割を果たした何人かの人物を国家安全保障チームに配し、主要閣僚に充てている。
高麗大学の北朝鮮問題専門家Nam Seong-wook氏は「問題は金正恩氏が、父親の金正日氏とまるで違うことだ」と話す。「文政権の当局者は金正日氏にしか対応したことがなく、金正恩氏のことは分からない」という。金正恩氏が政権を握ってから6年間に実施したミサイル実験の回数は、父親と祖父が行った実験を合わせたよりも多く、核実験も3回行い、米本土の攻撃が可能な弾道ミサイルの開発も急ピッチで進めている。
北朝鮮が攻撃的な姿勢を強める中で金正恩氏が対話を拒否し、韓国政府には打てる手がほとんどないというのがアナリストの見方だ。
イ・スフン氏は「韓国は現状では、米国や中国と話し合う以外に何もできない。ただ、この点はうまくいっている」と評した。
(Ju-min Park、Heekyong Yang記者)