ベネズエラほぼ内戦状態 政府保管庫には大量の武器
与党ベネズエラ統一社会党の幹部エリアス・ハウアは5月22日、オルテガから書簡を受け取ったことを認めた。事前にソーシャルメディアに漏洩したその書簡でオルテガは、「(政府の動きは)安定をもたらしたり好ましい雰囲気を生み出すのではなく、危機を加速させる」と述べている。これはつまり、マドゥロ支持者の中心的人物でさえ、かつては南米でもっとも活気に満ちた民主主義国家だったベネズエラの政治体制を解体することに二の足を踏んでいるしるしだ。
5月22日にはさらに、医師たちがカラカスでデモ行進し、保健省に対する抗議行動を実施した。アントニエタ・カポラレ保健相は5月半ば、2016年に妊婦死亡率が66%上昇したと発表した後で解任されている。抗議行動に参加した医師たちの手には、「病気になるな。薬は無いぞ」と書かれたプラカードが握られていた。ベネズエラは石油大国でありながら、食料だけでなく医薬品も極度に不足しており、患者たちは必要な薬や包帯などを自力で調達せざるを得ない状態だ。
人々が引き続き政治改革を要求するであろうことは確実だ。彼らは政府と平和的な話し合いをする気はないだろう。
(翻訳:ガリレオ)
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