最新記事

朝鮮半島

北朝鮮、「太陽節」軍事パレードで新型ミサイルを披露

2017年4月15日(土)21時56分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

一方、新たに公開されたミサイルが発射管の形で公開された点に着目している専門家もいる。

キム・ドンヨブ慶南大学極東問題研究所教授は「発射管だけを見れば、ICBMをコールド・ローンチ方式で開発しているという推測される」と話した。

コールド・ローンチは、高圧ガスなどで射出後、一定の上空でロケットエンジンに点火する方式で、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)北極星-1と2月に試験発射を行った北極星-2に導入された技術である。

【参考記事】北朝鮮、新型ロケットエンジンを実験 数年でICBM実用か?

キム教授は、新型ミサイルを移動する発射車両にも言及、「公開された車両が2種類あるが、これはICBMのエンジンを液体(KN-14)と固体(北極星-3型)の両方で開発している可能性もある」と分析した。

ただ、一部には新型ミサイルが発射管に入っていたことから、北朝鮮の「フェイクミサイル」(=モックアップ)である可能性を指摘する声もある。

強力な威力デモに加えて先制攻撃の可能性まで示唆している米国に向けて、北朝鮮が完成段階ではないものの、米国本土を攻撃できる威力を示すため、ICBMの形の発射管を示す偽装工作をしたのではないか、という指摘だ。

【参考記事】サードは無力? 北朝鮮の新型ミサイルは米韓の戦略を無効にする

韓国の合同参謀関係者は同日、公開された新型ミサイルと関連して、韓米情報当局が分析中だと話している。

北朝鮮が核実験を行えば先制攻撃も辞さないという強力なメッセージを送ったトランプ米大統領は、米国西海岸を担当する第3艦隊からのカールビンソンに加えて15日にはニミッツも朝鮮半島付近に派遣させた。また、16日にはペンス副大統領が訪韓、北朝鮮の今後の挑発に断固とした姿勢で臨むこととTHAADの早期配備完了を再確認すると見られている。朝鮮半島に高まる緊迫は当面続くものと見られる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国成長率、5%未満でも容認できる 質を重視=人民

ビジネス

ノルウェーSWF、イスラエル通信企業株を売却 倫理

ワールド

アングル:ルーマニア大統領選、親ロ極右候補躍進でT

ビジネス

戒厳令騒動で「コリアディスカウント」一段と、韓国投
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:サステナブルな未来へ 11の地域の挑戦
特集:サステナブルな未来へ 11の地域の挑戦
2024年12月10日号(12/ 3発売)

地域から地球を救う11のチャレンジと、JO1のメンバーが語る「環境のためできること」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    健康体の40代男性が突然「心筋梗塞」に...マラソンや筋トレなどハードトレーニングをする人が「陥るワナ」とは
  • 2
    NewJeansの契約解除はミン・ヒジンの指示? 投資説など次々と明るみにされた元代表の疑惑
  • 3
    【クイズ】核戦争が起きたときに世界で1番「飢えない国」はどこ?
  • 4
    JO1が表紙を飾る『ニューズウィーク日本版12月10日号…
  • 5
    混乱続く兵庫県知事選、結局SNSが「真実」を映したの…
  • 6
    【クイズ】世界で1番「IQ(知能指数)が高い国」はど…
  • 7
    NATO、ウクライナに「10万人の平和維持部隊」派遣計…
  • 8
    健康を保つための「食べ物」や「食べ方」はあります…
  • 9
    韓国ユン大統領、突然の戒厳令発表 国会が解除要求…
  • 10
    シリア反政府勢力がロシア製の貴重なパーンツィリ防…
  • 1
    BMI改善も可能? リンゴ酢の潜在力を示す研究結果
  • 2
    エリザベス女王はメーガン妃を本当はどう思っていたのか?
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    リュックサックが更年期に大きな効果あり...軍隊式ト…
  • 5
    ウクライナ前線での試験運用にも成功、戦争を変える…
  • 6
    健康体の40代男性が突然「心筋梗塞」に...マラソンや…
  • 7
    メーガン妃の支持率がさらに低下...「イギリス王室で…
  • 8
    「時間制限食(TRE)」で脂肪はラクに落ちる...血糖…
  • 9
    NewJeansの契約解除はミン・ヒジンの指示? 投資説な…
  • 10
    黒煙が夜空にとめどなく...ロシアのミサイル工場がウ…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中