最新記事

アメリカ政治

トランプ支持率最低、白人男性が逃げ出して

2017年4月5日(水)20時40分
ティム・マーシン

ロシアとの接触疑惑報道がトランプに大ダメージを与えている Kevin Lamarque-REUTERS

<オバマケア代替案は失敗に終わり、ロシア疑惑も深まるばかり。さすがの共和党員や白人男性などコアな支持者も離れ始めた>

最新の世論調査から、ドナルド・トランプ米大統領の支持率が今週さらに低下したことが明らかになった。

インベスターズ・ビジネス・デイリー(IBD)とテクノメトリカ・マーケット・インテリジェンス(TIPP)が今週行った最新の調査によると、トランプ大統領の支持率は34%で、3月の44.1%から10.1ポイント落ちた。大統領の仕事ぶりを支持しない回答者は56%で過半数を超えた。

【参考記事】トランプは張り子の虎、オバマケア廃止撤回までの最悪の一週間

トランプの主要な支持者たちはトランプ離れを始めており、なかでも、共和党員、無党派層、白人男性が顕著だ。

IBD / TIPPによれば、共和党員でトランプを支持する人は、先月比14ポイント減の74%まで落ち込んだ。無党派層は29%で、11ポイントの減少。トランプにとって最も重要な支持層とされる白人男性からの支持は58%から49%に低下した。

クイニピーアク大学の研究チームが今週発表した調査でも、IBD / TIPPと同様の結果が得られた。トランプ大統領の仕事ぶりを認めるのは、回答者のわずか35%。また、男性の過半数と白人の多くがトランプを支持しないとした。

ロシア疑惑も顕在

目玉政策の頓挫と疑惑が、大統領の仕事ぶりに対する国民の見方に影響を及ぼしている。オバマケアの廃止・代替案は採決直前に撤回に追い込まれ、トランプ選対幹部とロシアの接触疑惑が調査されるなど、問題は山積みだ。

テクノメトリカ、IBD / TIPPのディレクター、ラグハバン・マユールは「トランプの野心的な公約が議会とぶつかると、大統領の支持率は低下する」とし、特に「捜査が進むロシア問題についての否定的な報道は、支持率に大きな打撃を与えている」と語った。

他社の調査結果もトランプにとって悲惨なものだった。ギャラップの調査では、支持が39%、不支持は55%だった。

【参考記事】米世論はトランプ政権とロシア関与疑惑に特別検察官の任命望む

【参考記事】フリン補佐官失脚が意味する、トランプ政権の抱える脆さ

4月の支持率減少ポイントに誤りがありましたので、訂正してお詫び申し上げます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

新型ミサイルのウクライナ攻撃、西側への警告とロシア

ワールド

独新財務相、財政規律改革は「緩やかで的絞ったものに

ワールド

米共和党の州知事、州投資機関に中国資産の早期売却命

ビジネス

米、ロシアのガスプロムバンクに新たな制裁 サハリン
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでいない」の証言...「不都合な真実」見てしまった軍人の運命
  • 4
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 5
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 6
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 7
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 8
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 9
    巨大隕石の衝突が「生命を進化」させた? 地球史初期…
  • 10
    バカげた閣僚人事にも「トランプの賢さ」が見える...…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 5
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 6
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 7
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 8
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 9
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 10
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中