トランプ大統領令で消滅の危機、米国定公園15の絶景
国定公園の指定が取り消されれば開発で自然の景観が失われるかもしれない(写真はアリゾナ州のバーミリオン・クリフス) REUTERS
<今週トランプは大統領令で、96年以降に歴代大統領が指定した国定公園の見直しを命じた。指定が取り消されて開発が許されれば、資源開発などで雄大な自然の絶景が失われる可能性も>
大統領就任から100日を迎えるドナルド・トランプは、法案成立という点から見れば大した成果はあげていない。しかし毎回、物議を醸す一連の大統領令で、アメリカの今後数年に及ぶ国内政策、そしてアメリカの風景を根本的に変えてしまいそうだ。
アメリカの国定公園(ナショナル・モニュメント)では、1906年制定の米国遺跡保存法が定める大統領権限で、自然や文化を守るために開発が規制されている。今週26日にトランプが署名した大統領令は、国定公園の一部の指定を見直すもので、今後国定公園が開発で荒らされてしまうおそれがある。
対象となるのは、およそ400平方キロ以上の広さで、最近20年以内に指定された24の国定公園。政府による指定の見直しが行われ、規模や範囲が変更されたり、場合によっては指定が取り消される可能性もある。
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署名にあたってトランプは、「今日ここに来ている多くの地元関係者にも話を聞いた。皆さん大変に国土保全を気にかけているが、同時に広大な土地が公園に指定されている(ために開発できない)ことを深く憂慮している」と語った。
「我々はまず、そもそも当初から指定されるべきではなかった土地を解放する。そのことで素晴らしい土地を、非常に有効に活用できるだろう」
見直しの対象となる国定公園のうち、いくつか見てみよう。
ベアーズ・イヤーズ(ユタ州)
地元ユト族代表のショーン・シャポスは声明で、「ネイティブアメリカンの部族は力を合わせ、部族の民だけでなく土地との繋がりを持つ人々のために、土地を守る戦いを続けていく」と述べている。
グランド・ステアケース‐エスカランテ(ユタ州)
パパハナウモクアケア海洋国定公園(ハワイ州)