トランプの政策、ISISに「復活の好機」もたらす可能性
先月20日に就任したトランプ大統領の下で、米国政府は「中東においてISと戦うパートナーを求めている」というシグナルを送っている。
イラクにおけるモスル攻略作戦の最前線では、米軍部隊とイランは、同盟とまでは言わないまでも、協調した作戦行動を取っている。米国への入国制限令が復活するようなことがあれば、シーア派優位のイラク政府に対するイランの影響力が増すだろう。
シリアのラッカ包囲においては、米軍はクルド人武装勢力に頼っている。だが、これは北大西洋条約機構(NATO)の同盟国であるトルコの怒りを買っている。トルコから見れば、シリアのクルド人武装勢力は、同国がテロリストとみなすトルコ国内のクルド人反体制派と変わりないからだ。米国と欧州連合も、トルコのクルド人反体制派をテログループに認定している。
ロシアのプーチン大統領に対するトランプ大統領の提案からすると、両国はISとの戦いにおける協力関係を強める可能性があるが、それぞれが抱える目標も、それぞれが連携する友好国も、両国のあいだには大きな隔たりがある。
新たな米ロ関係が生まれることも、ISにとっては好機となる可能性がある。アナリストによれば、ISはすでに、ロシアがシーア派のイランと提携したことも、戦闘員募集のための新たな材料だと考えている。一部のムスリムのあいだで大きな怒りを生んでいるからだ。
(翻訳:エァクレーレン)
[ベイルート 8日 ロイター]