2020年にはドライバー不要に 自動運転のベンチャーZMP
REUTERS/Kim Kyung-Hoon
昨年11月に顧客情報流出が発覚し、翌月上場申請を取り下げた自動運転技術開発ベンチャー、ZMP(東京・文京)の谷口恒社長がロイターのインタビューに応じた。問題となった情報セキュリティーの再発防止体制が整い次第、年内にも上場を再申請する意向。
谷口社長は「オリジナルのセキュリティーを整えるために少し時間をかけて」やるが、「セキュリティー(整備)は1年もかけるものではない。そんなに長くはない」と話し、「納得のいく」セキュリティー整備ができる時期に再申請すると述べた。
同社は昨年から神奈川県や東京都内の公道で実証実験を始めており、1月末にお台場の一般道路での車線変更や左折、難度の高い右折も披露した。
主なやり取りは以下の通り。
──今年初めにDeNA<2432.T>と業務提携を解消した。
「これまでは(DeNAと合弁の)ロボットタクシー社にしか(自動運転技術を搭載した車、ZMPの商品名はロボカー)売れなかったが、解消したことでいろいろな会社に売れるようになった。いろんなタクシー会社、国内外の旅客や物流サービス会社に提供したい。たくさん話はきている」
──今後はどことも提携しないのか。
「車両開発は複数社とやっている。車両は中立な立場で売る。サービスは今すぐ必要ではない。時期尚早。自動運転技術がもう少し確立してから(考える)」
──提携解消後、ロボットタクシーは今後どうなるのか。
「法人としての所有権、商標の取り扱いは両社で話し合いをしているところで、2月末に確定する。DeNAが引き継げば、私は会長を辞めることになる」
─ー離職者は増えていないか。
「上場延期してからは社員が増えている。今年から増やしていく」
「開発に関わる方は残っている。去年のある時期、生産に関わる方が何名か辞めたが、私が社内に時間が割けなかった。今は社外活動をけっこう減らしている。社内に時間をかけ、ZMPらしさやZMPの基本理念を明確にし、その理念に沿った人を採用していく。社員数は今、60数人。グループでは90人弱だ」