最新記事

韓国

混乱の韓国政界 朴槿惠大統領の弾劾決議を今日午後投票へ

2016年12月9日(金)12時30分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

弾劾が成立、非成立でも韓国政局は混乱必至

 問題は今日の午後3時の弾劾決議の投票後、韓国の政局がどう動くかだ。

 仮に弾劾決議が成立すれば、国会から「弾劾訴追議決書」のコピーが大統領府に渡された時点から、朴大統領の職務は停止されてファン・ギョアン首相が権限代行を引き受けることになる。2004年ノ・ムヒョン前大統領への弾劾決議が可決された際の事例から推測すると、今回弾劾が成立すると今日の夜9時には朴大統領は職務停止となる。その後、憲法裁判所で弾劾が審議されるが、最短で2カ月、最長で6カ月審議がかかる模様だ。その間は、朴大統領は実質的な国家元首としては機能できず、大統領府に「幽閉」されることになる。

 一方、弾劾決議が否決された場合、野党は臨時国会を召集して再度弾劾決議を提出するか、もしくは全議員が辞職するという戦術を考えている。現在の与野党逆転状況では野党議員が全員辞職すれば国会は解散、総選挙となる。朴大統領に近い与党セヌリ党の指導部を含め、野党の指導部も相当な打撃を受けるものと予想される。

 弾劾が否決されれば、国会の混乱をよそに朴大統領はセヌリ党の提案した任期短縮による4月退陣という形で大統領の任期を形の上では全うすることもあり得る。いずれにせよ、国民不在のまま韓国政界の混乱は長期化しそうだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエルがガザ空爆、48時間で120人殺害 パレ

ワールド

大統領への「殺し屋雇った」、フィリピン副大統領発言

ワールド

米農務長官にロリンズ氏、保守系シンクタンク所長

ワールド

COP29、年3000億ドルの途上国支援で合意 不
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではなく「タイミング」である可能性【最新研究】
  • 3
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたまま飛行機が離陸体勢に...窓から女性が撮影した映像にネット震撼
  • 4
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 5
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 6
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳か…
  • 7
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 8
    クルスク州のロシア軍司令部をウクライナがミサイル…
  • 9
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 10
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 4
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 10
    2人きりの部屋で「あそこに怖い男の子がいる」と訴え…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 6
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 7
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 8
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中