米大統領選、クリントンはまだ勝つ可能性がある──専門家
AP通信によると、ニューハンプシャー州では開票率100%の時点でクリントンの得票率は47.5%、トランプは47.3%だった。ただしクリントンの勝利は確定ではない。両候補の得票差がたった1614票のため、誤差の範囲としてトランプが再集計を求める可能性がある。再集計が認められるのは得票率の差が20%以内の場合だ(CNNによると、ニューハンプシャーではクリントンが勝利した)。
ミシガンで追いつく?
ミシガン州務長官は、開票率100%の時点でクリントンの得票率は47.3%、トランプが47.6%、得票差は1万3107票だと発表した。同州は12年の大統領選で2675票の暫定投票(投票資格などをチェックする必要があるものなどまだカウントされていない票)があったと伝わるため、今回もそれと近い数字になる見込みだ。とはいえ仮にそれだけの票が加わったとしても、ミシガン州では得票差が2000票かそれ以下にならなければ自動的な再集計を行わないため、必ずしも再集計の要件には達しない。それでもマクドナルドはこう言う。「一定の暫定投票はあるはずだから、クリントンはミシガンでトランプに追いつけるかもしれない」
そうなれば残るのは、AP通信がトランプの勝利を伝えたウィスコンシン州だ。両候補の獲得票数の差が僅か2万7257票であることからも、マクドナルドはその結果を疑っている。同州で再集計が行なわれるのは得票率の差が0.5%以内の場合だが、多くの暫定投票が集計されていない状況を踏まえれば、再集計が必要になる可能性があるとみている。
とはいえクリントンはすでに敗北を認めた。それでも彼女は大統領になれるのだろうか。「敗北宣言に法的拘束力はない」というのは国立憲法センターの会長兼CEOのジェフリー・ローゼンだ。彼はその最たる例として、2000年の大統領選挙で民主党候補のアル・ゴアが、いったんはジョージ・W・ブッシュへの敗北を認めたが、後に敗北宣言を撤回してフロリダ州で票の数え直しを求めたエピソードを挙げた。当時は再集計の結果、わずか537票差でブッシュが勝った。
マクドナルドは、トランプが大統領選を制した可能性が高いと認める一方、僅差が伝わる州では得票数を正確に数えて結果を明らかにしなければならないと言った。「何としてもダブルチェックが必要だ」