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航空機三菱がMRJ5度目の納入延期リスクを通知、18年半ばに黄信号
10月1日、三菱重工業傘下の三菱航空機が開発中の国産ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」について、2018年半ばに予定している初号機の納入が遅れる可能性があることを顧客の航空会社に通知していたことが分かった。写真は、シンガポール・エアショー展示会場のMRJブース。2月撮影(2016年 ロイター/Edgar Su)
三菱重工業<7011.T>傘下の三菱航空機が開発中の国産ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」について、2018年半ばに予定している初号機の納入が遅れる可能性があることを顧客の航空会社に通知していたことが分かった。実際に納入が延期されれば5度目となり、受注活動などへの影響が懸念される。
初号機の納入を受けるANAホールディングス<9202.T>傘下の全日本空輸によると、どの程度遅れる可能性があるかなど詳細は明らかにされていなかったが、「技術的な理由で引き渡しが遅れるリスクがあるとの知らせを受けた」という。これに対し、三菱重工側は「納入延期を決定した事実はない」としている。
MRJは9月下旬、10月から始まる米国での飛行試験に向けて、試験1号機が愛知県営名古屋空港から飛行試験の拠点であるワシントン州モーゼスレークの空港に到着したばかり。8月下旬にも米国行きを目指したが、空調システムの不具合で2度、名古屋空港に引き返した。
MRJの開発は08年から本格化。納入開始は当初13年の予定だったが、設計変更や部品仕様の変更などで4度延期しており、15年末には17年4―6月から18年半ばへの変更を発表した。
100席以下のリージョナルジェット市場は今後需要増が見込まれており、三菱航空機は計1000機の受注を目標に掲げている。現在の受注はキャンセル可能分を含めて447機となっている。
(白木真紀)