香港マーケットに予想される地殻変動 中国本土資金が大量流入
アイビー・キャピタルで上海を拠点に活動するShen Weizheng氏は「水は高きから低きに流れるのが自然だ。相互接続がいったん始動すれば、流動性が香港に向かい、バリュエーションが縮小する」と予想。既に通信用ケーブル製造の長飛光織光纜(6869.HK)の株式を購入した。
Shen氏は10億ドル規模でポートフォリオの70%を香港株が占めるオフショア・ファンドを運用している。
上海のヘッジファンド、Rパワー・キャピタルの創設パートナー、ロバート・ディ氏も香港株を買い増した。同氏は「中国の規制当局が投機の締め付けを強化しているので、多くの国内ヘッジファンドは香港で取引を始めている」と説明する。
ボラティリティ低下予想も
大規模な資金流入を受け、香港株の価格形成の主導権は欧米投資家から本土投資家に移行していくだろう。
Rパワーのディ氏は、毛沢東が唱えた「農村から都市を包囲する」という戦略を引き合いに、「小型株から主力株に波及する形で主導権が移りそうだ」と語った。
一方、交銀国際のチーフストラテジスト、Hong Hao氏は、本土投資家の参入が増えれば香港株のボラティリティは上昇するよりはむしろ低下するとみている。
同氏は「かつては海外資金が香港株の動きを左右し、市況が悪化してこれらの資金が逃げ出すとボラティリティが大きく跳ね上がる原因になっていた。相互接続で香港株の参加者は徐々に変化し、大いに待ち望まれていた流動性をもたらしてくれるはずだ」と主張した。
(Samuel Shen、John Ruwitch記者)