最新記事

軍事

ロシアの最新型原潜、極東に配備

2016年9月27日(火)17時40分
デイミアン・シャルコフ

Lev Fedoseev-REUTERS

<ロシアが、太平洋での軍事的プレゼンスを高めようと動きはじめた。南シナ海で中国と合同軍事演習を行った後は、極東の基地にに最新型の原潜を配備。その意図は?>

 ロシアの最新型原子力潜水艦が、同国の極東地域に恒久的に配備されたと、国営通信社イタル・タスが報じた。

 ロシア海軍はここのところ、太平洋におけるプレゼンス強化に努めてきた。中国との強固な関係を誇示しつつ、日本および韓国との関係にも配慮した。今月に入ってからは、中国と共同で8日間にわたる海軍演習を南シナ海で実施。それに先立ち、同領域における中国政府の領有権の主張にも支持を表した。

オホーツクとベーリングにアクセス

 そして今、カムチャッカ半島に基地を置くロシアの太平洋艦隊に最新型の原子力潜水艦「ウラジミール・モノマーフ」が到着した。カムチャッカ半島からは、ロシアと日本の間のオホーツク海と、アメリカとロシアの間にあるベーリング海へのアクセスが可能だ。

 ウラジミール・モノマーフは、ロシア第3のボレイ型原子力潜水艦で、この新世代型潜水艦のための専用設備がカムチャッカ半島に設置されている。昨年には、もう一隻のボレイ型原子力潜水艦「アレクサンドル・ネフスキー」が配備済みだ。

【参考記事】ロシアがクリミアの次に狙うバルト3国
【参考記事】ロシア機墜落「イスラム国」関与説の信ぴょう性

 アレクサンドル・ネフスキーには16発の大陸間弾道ミサイル「ブラバー」が装備されており、それぞれのミサイルには最大10個の核弾頭が搭載されている。

【参考記事】スウェーデン核攻撃を想定、ロシアが軍事演習

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中