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障害者殺傷事件、匿名性が日本に突きつけた現実

2016年9月23日(金)14時00分

 身体に障害のある人に対する差別等に関しては過去数十年で大きな進歩が見られると活動家は指摘するが、「やまゆり園」の入所者のように認知障害のある人はまだかなり差別に直面している。

 また、地方に住む障害者は都市に暮らす障害者よりも、社会に融合されるうえで大きなハードルにぶつかる。都市では、批判が高まっている大規模な孤立した施設ではなく、コミュニティーで集団生活を送ることができるグループホームで介護する傾向にある。

 2020年の東京パラリンピックに向けた準備は、少なくとも東京のバリアフリー環境を向上させるきっかけを与えている。東京メトロは2019年3月までに、多目的エレベーターを全ての地下鉄駅に設置する。

 相模原事件の犠牲者の匿名性をめぐる議論が現実に起きているという事実こそが、希望の持てる理由だと、前向きに捉える人もいる。

「これは非常につらい事件だったが、皆が真剣に考えるきっかけになるのはとても大事」だと、日本障害フォーラムの原田氏は語った。

(Kwiyeon Ha記者、Linda Sieg記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)

[東京 16日 ロイター]


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