米国テック一強時代は終わり、米中二強時代が始まった
R&D投資
そのR&D投資であるが、イノベーションの創出に、もっと言えばその国の経済成長に決定的に重要である。
米国政府の大学や軍事への予算投下によってウィリアム・ショックレーがトランジスタを発明し、そこからフェアチャイルドセミコンが生まれ、フェアチャイルドからインテルもクライナパーキンスもセコイアも生まれ、彼らが投資してアップルやマイクロソフトが生まれる。インターネットの元であるDARPAも国家プロジェクトでありそれによってGoogleもFacebookも米国に生まれる。
このように、R&D投資はその国の次世代の産業創生とそのエコシステム形成および定着に決定的な役割を果たす。
OECDが発表している国別のR&D、すなわち科学研究費予算(官民のそれを合計している)では、中国が3位の日本に2倍超の差をつけて1位の米国に肉薄している。
中国のGDPの伸び率は下がったと言っても分母が巨大ゆえ年率6%台成長は中小規模国家一年分のGDPくらい毎年増えている。ゆえに短期的にR&D投資予算でも米国を超えるないしは少なくとも並ぶとみるのが妥当だろう。
そうなれば「中国初のイノベーション」がこれからバンバン世界に出てくることとなる。既に出始めている。
スパコンの世界ランキングでは2013年から4年連続でトップは中国である。パクリ技術だなんだと批評はあるが少なくとも自国産CPUを積んだマシンが世界最速である事は事実だ。また再生可能エネルギー分野ではその排出量、投資額ともに中国は世界一である。